複合機メーカーのコニカミノルタ(4902)、株価の浮上はいつ頃か?

 複写機大手メーカーのコニカミノルタ(売上高約1兆円)。以前は写真・カメラというイメージがあったものの、すでに写真関連からは撤退しており、現在は産業印刷、ヘルスケア、産業用材料などを数多くの事業を展開している。足元の業績は落ち込んでおり、株価は大きく下がった状況だ。

■基本情報(2020年5月1日時点)

  • 株価:398円
  • 時価総額:2,000億円
  • 予想PER:26.2倍
  • PBR:0.36倍
  • 予想配当利回り:7.53%

■リーマンショック時を下回る株価水準

 コニカミノルタの時価総額は2,000億円ほどになっており、企業の知名度と比べると時価総額はかなり小さいイメージ。現在の株価を見ると、リーマンショックが起こった2008年~2009年ごろの安値を下回っている。2019年7月ごろは1,000円を超えていた株価は、現在では半値以下の400円前後まで急落している。

 決算短信のセグメント別損益を見てみると、オフィス事業は前年同期比で利益が半減(116億円→54億円)しており、損益悪化の大きな要因になっている。ヘルスケア事業は利益が出ていると想定していたものの、売上高180億円に対して、利益はたった2億円どまり。

 現状としては、コニカミノルタを支える基盤事業が、しっかり育っていないという印象だ。コニカミノルタと言われて思いつく商品がないのが現在のコニカミノルタを表しているのではないだろうか。

■新型コロナウイルスで挽回可能か?

 コニカミノルタの米国のグループ会社Ambry Genetics(アンブリー・ジェネティクス社)は、新型コロナウイルス検知検査などに取り組んでいる。その他にも、コニカミノルタは肺炎の早期発見につながると言われている酸素濃度を測るためのパルスオキシメーターを生産。

 これまでヘルスケア部門は利益への貢献が低いものの、これまで培ってきた技術・特許を活用して利益をしっかり出せる新製品を投入できるかどうかが、コニカミノルタ復活のカギになるかもしれない。

 複写機関係は、キヤノン、富士ゼロックス、リコー、セイコーエプソンなど競業会社がひしめき合っており、ここで利益を稼ぐには難しいかもしれない。

■コニカミノルタの株価チャートは?

 現在の株価を見ると、470円と800円くらいに抵抗線がある。まずは470円を超えていくことができるかどうか。現状、予想配当利回りは7%を超えているものの、減配の可能性は否定できない。中長期で考えると、現在の株価は安全圏にいると見えなくもないが・・・・・どうなるのだろうか。

 ただし、今から買いで入るのはチャート的には逆張りになるため、チャートの方向が転換してから買いで入ったほうが安全かもしれない。

以 上

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