画像解析AI技術の開発とサービス化により交通量解析、感情検知、物体検知、物体認識、顔認証などマーケティング、セキュリティ、モビリティなどの領域でマネタイズを図るニューラルポケット。スマートシティ銘柄としても注目される。そして、ニューラルポケットが注力するのはエッジAIという分野。現在はクラウドが主流であるものの、大量のデータを扱うため分散処理のエッジコンピューティングを活用したエッジAIを活用する。ニューラルポケットの株価の行方は?
■基本情報(2021年9月10日時点)
- 株価:3,455円(10年来高値:10,850円)
- 時価総額:490億円
- 予想PER:175倍
- PBR:35.8倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:63.1%
- 会計基準:日本基準
■ニューラルポケットの業績は?
ニューラルポケットの2021年12月期の第二四半期の売上高は4.9億円(前年同期比+49.8%増)、営業利益91百万円(前年同期比+73.7%増)の増収減益となった。ニューラルポケットの売上総利益率は+82.9%(前年同期は+93%)、営業利益率は+18.6%(前年同期は+16.0%)と高い水準となっている。
ニューラルポケットの2021年12月期の業績予想は売上高12.6億円(前年比+64.7%増)、営業利益3.8億円(前年比+122.5%増)を計画している。時価総額は約500億円あるものの、年間の売上高は約13億円程度と将来の成長が株価に織り込まれている状況だ。
■ニューラルポケットの事業内容は?
ニューラルポケットの決算説明資料を読むと、概略的なことやイメージ的なことの記載はあるものの、具体的な収益モデルの数値などは公表していない。ニューラルポケットはエッジAIという画像解析技術を活用したサービスを提供している。AIカメラにより、人流や防犯の「デジフロー」や駐車場管理の「デジパーク」、サイネージ広告、在宅勤務支援の「リモデスク」などのパッケージサービスを提供している。
決算説明資料を読むと、サブスクリプション型のライセンス収入が収益モデルと思われる。新規加入者数と継続率がKPIとなっている。ただし、具体的な契約者数や継続率などのデータは公表されていない。
正直、ニューラルポケットの事業は先進的で期待できるものの、事業の具体的な数値の公表がほとんどない点で投資に踏み切れない。たとえば、画像処理とAI技術を持つ東大初ベンチャーのモルフォは収益の拡大がうまくできず、株価は高値から10分の1くらいの時価総額70億円前後で停滞している。いかに素晴らしい技術を持っていても、マネタイズにつまずくと株式市場では評価されない。
■ニューラルポケットの株価の行方は?
ニューラルポケットの時価総額は約500億円。時価総額が50億円前後であれば株を購入しても問題ないものの、この時価総額であれば株価は半値以下に下がる可能性も十分ありえる。事業内容としてはモルフォやオプティムなどに類似しているのではないだろうか。これから期待できる事業であるものの、投資するのであれば株価が下がり切っているモルフォや事業規模が大きいオプティムのほうが投資しやすい。
AI・IoT・ロボティクスのオプティム、IT技術で新しいビジネスを創り出す企業!(2021年5月30日投稿)
以 上