AI・IoT・ロボティクスのオプティム、IT技術で新しいビジネスを創り出す企業!

 「〇〇×IT戦略」でAI・IoT・ロボティクス・ビッグデータなどの新しいビジネス領域に積極的に投資しているオプティム。創業来21期連続の売上高更新をつづけている。オプティムが提供するサービスのライセンス契約売上は堅調に増加しており、隠れたサブスクリプション型の企業。モバイルやパソコンなどの統一管理をする「Optimal Biz」は18万社以上に導入されており、国内シェアは42.3%とNo.1の実績。オプティムの業績と株価の行方はどうなるのか?

AI・IoT・Roboticsと未来的な事業を展開するオプティム(3694)、利益も拡大!(2020年7月25日投稿)

■基本情報(2021年5月28日時点)

  • 株価:2,519円(10年来高値:3,840円)
  • 時価総額:1,389億円
  • 予想PER:144.4倍
  • PBR:32.55倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:68.2%
  • 会計基準:日本基準

■オプティムの業績は?

 オプティムの2021年3月期の売上高は75.2億円(前年比+11.7%増)、営業利益18.1億円(前年比+603.8%増)の増収増益となった。オプティムの売上総利益率は+60.8%(前年は+61.0%)、営業利益率は+24%(前年は+3.8%)と売上総利益率は高め、営業利益率は販管費が約11億円減少したことにより大きく改善している。

 2021年3月期の販管費が大きく減少した要因については、決算説明資料などで解説されていない。そもそも、販管費の内訳が開示されていない。

■オプティムの「Optimal Biz」とは?

 オプティムの主力製品は、法人向けのクラウドデバイス管理ソリューション。クラウドでパソコン、タブレット、スマートフォンを一元管理できる仕組みだ。企業のIT管理者としては、企業内のセキュリティや違法ソフトインストール、不正利用などを防止するために「Optimal Biz」を活用している。

 新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークやテレワークなどを進む中、「Optimal Biz」が活躍している。主要販売パートナーとしては、KDDI、NTT西日本、リコー、大塚商会などがサービスを提供している。オプティムは1端末エンドユーザー月額300円を徴収しており、サブスクリプション型のビジネスとなっている。現時点で「Optimal Biz」は国内シェア42.3%のNo.1となっている。

■オプティムの他のサービスは?

 オプティムはIT技術を基盤にAI・IoT・ロボティクスのサービスを展開している。「OPTiM AI Camera」は社員食堂などの混雑状況などを「見える化」したり、スポーツイベントなどの混雑状況なども見えるようにできるもの。さらに建物の入り口などでサーモグラフィーとして健康状態のチェックシステムを提供することも可能だ。

 「OPTiM Geo Scan」というサービスでは、iPhone ProやiPad Proを使って誰でも簡単に高精度の3次元測量ができるアプリを提供している。測量するときにモバイル端末を使用することにより、一人でも手軽に測量できてしまうサービスだ。

■オプティムのオンライン診療!

 オプティムはMRT社と組んで「オンライン診療ポケットドクター」を展開している。家や職場で簡単に医師からの診療を受けることができるサービス。医療機関への診療予約・診療・処方箋の受取までアプリで実現できる(「オンライン診療ポケットドクター」を導入している医療機関のみ)。

 オプティムはIT企業のため、オンライン診療プラットフォームのシステム開発を提供している。MRTと組んで「ポケットドクター」を提供しているものの、他の企業へのシステムの提供を横展開している。

■オプティムの株価の行方は?

 オプティムの時価総額は約1,400億円。オプティムの成長性と収益性を考えると、グロース銘柄が高く評価されている市況のなかでは割安だ。しかしながら、株価チャートをみると、オプティムの株価はデッドクロスとなり下落トレンドに転じている。

 投資家にとって、もう一つ心配なのは、オプティムの資本金(資本剰余金含む)が11億円ほどしかない点。オプティムの自己資本比率は余裕があるものの、そもそも上場による資金調達が少ない。上場したばかりのBASE、マクアケ、freee(フリー)、マネーフォワードなどのが数十億円~100億円を超える増資をしていることを考えると、オプティムも増資による成長資金の調達をしてもおかしくない。もちろん、増資は株価の希薄化を進めることになりマイナス影響となる。

 オプティムの事業内容を見ていると、新しい時代を創りあげる勢いを感じる。10年後くらいにはとてつもない企業になっている可能性を感じてしまう。しかしながら、時価総額が1,000億円を超えており、株価が落ちてくるまでは様子見が無難かもしれない。

(画像1)オプティムの株価推移

以 上

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