ゲームタイトルを買収して運営で稼ぐマイネット(3928)、リカバリープランで業績回復!

 他社で開発したゲームタイトルを買収して、効率的な運営で長期間利益を稼ぐビジネスモデルを築いたマイネット(MYNET)。マイネットは2019年8月にリカバリープランという利益構造の転換をはかった戦略を実施し、大幅な業績回復をとげている。外注費や広告宣伝費を削って固定費率をさげ、利益がでる水準まで事業構造を改善させている。今後は事業拡大にむけた新規事業が課題になるものの、マイネットの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年12月18日時点)

  • 株価:891円
  • 時価総額:76.8億円
  • 予想PER:9.5倍
  • PBR:3.41倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:49.4%
  • 会計基準:日本基準

■マイネットの業績は?

 マイネットの2020年12月期の第三四半期の売上高は87.7億円(前年同期比△1.4%減)、営業利益は10.5億円(前年同期は6.5億円の赤字)だったため、売上規模はかわらなかったものの、黒字転換を果たした。前年同期の自己資本比率は27.1%だったものの、2020年9月末には49.4%まで上昇している。マイネットはこれまで規模成長の追求を重視していたものの、リカバリープランという再建策では利益体質の改善を重視し、今期はその成果が出ている状況だ。

■マイネットの事業内容・ビジネスモデルは?

 マイネットはゲーム開発会社ではない。マイネットはゲームタイトルの運営に特化したビジネスをおこなっている。たとえば、上場会社のクルーズよりゲーム事業の一部を譲り受け、そのゲームタイトルの運営により投資金額(買収金額)を上回る収益を上げるビジネスモデルだ。マイネットでは「ゲームサービス業(GS事業)」と呼んでいる。

 買収したゲームタイトルの運営に特化し、運営の再編をおこない、長期的にゲームタイトルの運営をおこなって収益を稼いでいる。前年までは「赤字タイトルの再生」「国内タイトルの海外新規展開」「既存タイトルの売上成長の施策」をおこなってきたが、なかなか利益を出すことができなかった。現在、マイネットはデータドリブンスマート運営という「ゲームタイトルの運営自動化・効率化」に力を入れている。ゲームタイトルを最小限のチカラで効率的におこなう運営だ。

■利益の出るようになったマイネット!

 マイネットはリカバリープラン(2019年8月14日発表)を実行し、2019年12月から単月黒字を達成している。2020年12月期の第三四半期を見ると、営業利益率は12%ほどとなっている。前期の赤字から見事、脱却できている。

■マイネットのゲームタイトル!

 マイネットが現在運営しているゲームタイトルは全部で36本。新規にゲームタイトルを仕入れ、長期運営をつづける中で、収支の悪いものについては運営を停止していくビジネスモデルだ。新しいゲームタイトルの買収と収益改善施策が重要になってくる。収益のでないゲームタイトルを買ってしまう失敗が最も痛い。

■通期予想を超過しそうなマイネット!

 マイネットの2020年12月期の第三四半期の状況をみると、営業利益や経常利益は通期予想をクリアできそうだ。当期純利益に至っては、すでに通期予想をクリアしている状況だ。これから注目されるのは事業成長。売上高の前年比での伸び率はほぼゼロのため、事業成長の行方が見えてこない。マイネットとしても新規事業にチャレンジしているものの、いまのところゲームサービス事業に並ぶ事業は見えていない。

■マイネットの株価推移と今後の株価の行方は?

 マイネットの時価総額は約80億円。営業利益を約10億円だせる企業としては企業価値の評価が低い。ここ最近はゲーム開発会社のコロプラ、gumi、Aimingなど株価の評価が低い。クラウド事業をおこなっているフリー、ラクス、Sansan、マネーフォワードや遠隔医療のエムスリー、メドピア、ケアネットなどにテーマが移っているようだ。しかしながら、どこかのタイミングでゲーム銘柄が再評価されたときは、マイネットの株価にも大きくプラスで反応するはずだ。

 マイネットの株価は現時点では割安と考えるものの、事業の成長性が見えず不安な点は残る。マイネットの決算資料をよむと、AI、マーケティング、ライツ、ライブゲームなどで新規事業の模索をおこなっており、その中から大きくアタリが出ることが期待される。引き続き、マイネットの新規事業の行方に注目が必要だ。

(画像6)マイネットの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする