企画・販売・マーケティングのリベルタ、美容・アパレル・生活雑貨など多面的に事業展開!

 工場をもたず企画して販路に卸して事業展開しているリベルタ。1997年2月設立、従業員数95名の会社。2020年12月にジャスダック上場。公開価格1,200円に対して、初値は2,120円(時価総額61億円)。現在の株価は639円のため、公開価格からも半値くらいまで下落している。上場時に購入した投資家は大きな含み損を抱えている状況だ。今後のリベルタの業績と株価の行方は?

■基本情報(2022年12月2日時点)

  • 株価:639円(10年来高値:2,159円)
  • 時価総額:19億円
  • 予想PER:11.8倍
  • PBR:1.5倍
  • 予想配当利回り:2.81%
  • 自己資本比率:23.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,418人(2021年12月31日時点)

■リベルタの業績は?

 リベルタの2022年12月期の第三四半期の売上高は45.1億円(前年同期比+21.1%増)、営業利益21百万円(前年同期は+1.7億円)と増収減益となった。リベルタの売上総利益率は+40.6%(前年は+42.4%)。

 売上総利益は15.8億円(前年同期)→18.8億円と+3.0億円の増加となったものの、販管費も14.1億円(前年同期)→18.6億円と+4.5億円の増加になり、損益的には△1.5億円のマイナスインパクトとなった。

 販管費増加の要因としては、ファミリー・サービス・エイコー(以下、エイコー社)の連結により+3.3億円との説明がある。おそらく、エイコー社の連結にともなう売上総利益の増よりも、販管費の増が大きく、マイナス影響となったと思われる。

■リベルタの事業内容は?

 リベルタは何をしている企業か?簡単に言うと、商品の企画・設計・販売などを行っているファブレスメーカー(工場を持たないメーカー)だ。ビジネスモデル的には、SIXPADなどのブランドビジネスを展開しているMTG、北の達人コーポレーション、グラフィコ、ジェイフロンティアなどが似たようなビジネスモデルを展開している。

 自社で企画、設計を実施し、ブランドをつけて販売するモデル。その際に、広告費を投入してKPIなどをウォッチして新製品を多面的に投入していくもの。リベルタはフットケアブランド「ベビーフット」、オーラルケアの「デンティス」、冷感ウェアブランド「フリーズテック」など生活用品からアパレル、健康食品など幅広く展開している。

「Refa(リファ)」「SIXPAD」のMTG、業績急回復も営業利益10%の壁!(2021年11月20日投稿)

北の達人コーポレーション、業績堅調も販管費増で営業利益は減少!(2021年10月16日投稿)

健康食品とヘルスケアのジェイフロンティア、オンライン診療に注力!?(2022年2月12日投稿)

 リベルタの販売ルート(チャネル)別の売上高比率はわからないものの、国内店舗で22,600店舗以上で商品を販売、海外も25,100店舗以上で展開している。毎年、30以上の新商品を販売している。地域別の売上高比率をみると、日本国外が84.5%と大半を占め、海外は北米が全体の9.2%と大きい。

 リベルタの商品別の売上高比率をみると、コスメが全体の約40%、残り、トイレタリー商品が12.8%とつづく。

■買収したエイコー社とは?

 リベルタが2022年3月に買収したエイコー社(長野県)は1976年設立の古い企業。取得価格は未開示であるものの、のれん4.9億円、投資その他が1.4億円の増加となっており、おそらく6.5~7.0億円くらいで買収したと思われる。100%の取得ではなく、エイコー社の創業家から86.8%の議決権を取得している。

 エイコー社の年間売上高は26.6億円、営業利益2.1億円を2021年3月期に出している。2022年4月1日から子会社として連結されていることを考えると、2022年4月~9月までの6か月間の業績は連結計上されている。よって、売上高の13億円くらいは連結による増収であり、その増加を差し引くと、今回発表の決算の売上高45億円から13億円を差し引くと、売上高は32億円(前年同期は37億円)と減収であることがわかる。リベルタは決算短信上は成長しているように見えても、成長していない企業である。

■リベルタの財務状況は?

 リベルタの2022年9月末の財務諸表をみると、現預金は11.6億円、在庫15.7億円、有形固定資産が前年から6.5億円くらい増加している(エイコー社連結の要因での増加と思われる)。また、のれんが4.9億円計上されている。

 いっぽう、有利子負債は約25億円が計上されており、財務的にはかなり厳しい。エイコー社を買収していないと成長性を示せず、いっぽうで、買収に伴って財務的には厳しい状況となった。ほぼ利益がでない状態になっている。2022年8月9日に連結業績の下方修正を実施し、当初予定よりも販売がうまくいっていない構造が見て取れる。

■リベルタの株価推移は?

 リベルタの時価総額は19億円。時価総額は低いものの、同業のグラフィコ(時価総額:21億円)のほうが割安感が大きい。リベルタは時計事業として「Luminox(ルミノックス)」というスイス製ミリタリーウォッチの販売代理店をしているものの、円安の影響などで採算が大きく悪化していないだろうか?なお、「Luminox」は5~10万円くらいするミドル層向けの腕時計である。Amazonでは並行輸入品が半値以下の2~3万円くらいで「Luminox」ブランドが販売されており、なかなか販売も上手くいかないのではないだろうか。

円安・原材料高により利益縮小のグラフィコ、翌年度の予想は増収減益に!(2022年8月13日投稿)

 ただ、時価総額が20億円を割っており、地合やニュースリリースによっては思惑で時価総額30~40億円くらいまで上昇する可能性も十分にありえる。これぐらいの企業規模になると、資金余力のある個人投資家の動向で株価は大きく動くからだ。

(画像1)リベルタの株価推移

以 上

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