美容ローラーの「Refa（リファ）」やトレーニング機器シリーズ「SIXPAD（シックスパッド）」などの自社企画ブランド製品を展開しているMTG（エムティージー）。2019年の中国の不適切会計で株価は急落した影響も少しずつ回復している段階だ。不正会計前の水準には戻っていないものの、2019年から回復基調には戻っている。MTGの株価と業績の行方はどうなるのか？
「SIXPAD」「ReFa」を展開するヘルスケア器具販売のMTG！業績の行方は？(2021年4月25日投稿）
■基本情報(2021年11月19日時点）
- 株価：1,488円(10年来高値：8,120円）
- 時価総額：591億円
- 予想PER：18.7倍
- PBR：1.52倍
- 予想配当利回り：0.67%
- 自己資本比率：81.1%
- 会計基準：日本基準
■MTGの業績は？
MTGの2021年9月期の売上高は428億円(前年比+22.8%増）、営業利益38.9億円(前年比+219%増）の大幅な増収増益となった。MTGの売上総利益率は+70%（前年は+72%）、営業利益は9%（前年は3%）となっており、営業利益10%突破が大きな壁になっている。
MTGの販管費の内訳をみると、年間の広告宣伝費は64.4億円（前年は37.2億円）、販促費も23.7億円を投入しており、マーケティング費として88億円（前年は61.9億円）と巨額の費用を投入している。MTGや健康食品・化粧品などの自社企画ブランド企業は、いかに広告宣伝費を投入してブランド化してファンを作るかがビジネス成功のキーとなっている。
MTGの売上総利益率が約７割と高く、美容ローラーやトレーニング機器の原価はそれほどかかっていない。いかに高価なブランドであるか、顧客から信頼をもってもらうかが、工場を持たない自社企画ブランド企業にとっては重要なマーケティングとなっている。
■不正会計前の水準には戻っていない！
MTGの2018年9月の売上高は584億円、営業利益69.3億円と売上規模・営業利益額ともに不正会計前の水準には戻っていない。ただし、継続的な広告宣伝費の投入によるブランド価値向上などで、日本国内では信頼されるブランドになっているように思える。
2021年9月期は８ブランド、合計38アイテムをリリースしている。2022年9月期は新たに60アイテムを展開予定だ。「MTG LIFEPLAN」という月々定額、下取りサービス、保証（保証期間は５年）というプランを導入し、ロイヤリティの高い顧客との長い付き合いを前提としたサービスをスタート。
主力ブランドの「Refa」は美容ローラーから、ファインバブルシャワーやヘアケア用品に主力製品が移ってきている。
■心配な四半期利益の推移
MTGは一見すると業績が堅調に見えるものの、四半期別の業績をみると、2021年9月期の3Qと4Qの営業利益は6.4億円、2.1億円と大幅に悪化している。これは来期の業績を見据えた積極的な広告宣伝費の投入（利益圧縮）の影響か、想定外の利益悪化か今期の業績を見てみないとわからない。
セグメント別の売上高をみると、グローバルの売上高は2019年9月期の半分くらいしかないので業績成長のためには海外事業の回復が重要になる。
■MTGの株価推移は？
MTGの時価総額は約600億円。株価推移をみると、低迷しつづけているように見えるものの、すでに底値から３倍以上に反転している。一時は時価総額3,000億円以上あったものの、不適切会計により信頼を失ったMTG。ぜひとも復活を期待したい。
以 上