東京23区を中心にビルの再生事業(理プランニング)、貸し会議室、ホテル運営、しま夢事業(新潟県佐渡島、沖縄県宮古島)で事業展開しているサンフロンティア不動産(SUN FRONTIER)。従業員数は701名(パート含むと1,282名)、1999年4月設立。不動産銘柄のなかでも収益性の高い会社のひとつ。今後の事業展開と株価の行方は?
■基本情報(2023年2月10日時点)
- 株価:1,098円(10年来高値:1,667円)
- 時価総額:535億円
- 予想PER:6.4倍
- PBR:0.7倍
- 予想配当利回り:4.18%
- 自己資本比率:54.8%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:10,947人(2022年3月31日時点)
■サンフロンティア不動産の業績は?
サンフロンティア不動産の2023年3月期の第三四半期の売上高は753億円(前年同期比+22.3%増)、営業利益147億円(前年同期比+20.9%増)の増収増益。サンフロンティア不動産の売上総利益率は+27.2%(前年は+28.4%)、営業利益率は+19.5%(前年は+19.7%)と不動産ビジネスを展開している上場企業のなかでも収益性がきわめて高い。
サンフロンティア不動産の売上総利益は205億円(前年は175億円)、販管費は58億円(前年は54億円)で、差し引きの営業利益は147億円(前年は122億円)だ。サンフロンティア不動産は2000年度から基本的に経常利益率は20%前後を保ち、リーマンショックで大きく赤字になったものの、2012年以降は一気に業績を立て直している。コロナショックでホテル事業は痛手を受けたものの、リプラニング事業(再生オフィス事業)で高収益を維持している。
■サンフロンティア不動産の事業内容は?
サンフロンティア不動産のメイン事業は、オフィス棟などのリプラニングと呼んでいるリノベーションによる価値を構築する再生事業だ。利益率が高いのが特徴だ。東京23区の古いオフィス棟を買い取って、見栄えを整えて再販売する事業モデル。なかには賃貸や貸し会議室として運営し、運営サービスを含めて、タイミングをみて売却する事業を実施している。
ホテル・観光事業も同様で、高級ホテル、中級ホテル、エコノミーホテルなどのクラスでホテルを建設・運営して、新しいオーナーにホテルを売却する事業モデルを展開している。ホテル・観光事業は新型コロナウイルス感染拡大により赤字になっていたものの、全国旅行支援などにより今期は黒字化している。
■サンフロンティア不動産の財務状況は?
サンフロンティア不動産の2022年12月末の財務状況をみると、現預金は449億円、販売用不動産は約750億円。いっぽう、有利子負債は約510億円と不動産会社のなかでは財務状況は健全だ。自己資本比率は54.8%ときわめて高い。
リプラニング事業(再生事業)は東京23区に的を絞っているため、資産価値が大きく下落する可能性が少ないかもしれない。また、事業用のビジネスに特化しているため、居住用であれば金利上昇による販売不振のリスクがあるが、オフィス用であれば、そのリスクは少し抑えられるのかもしれない。
■サンフロンティア不動産の株価推移は?
サンフロンティア不動産の時価総額は約530億円。予想PERは6.4倍、予想配当利回りは4.2%と株価に割安感が見える。ただ、ほかの不動産銘柄も同様の割安感を示している。戸建やマンションの販売企業とくらべると、事業が特徴的で収益性が高くて魅力がある。
以 上