多角展開企業のエフアンドエム、営業利益率+10%超えの収益力!

 個人事業主向けの記帳代行、補助金申請支援などのコンサル、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」などを展開しているエフアンドエム。あまり目立たないエフアンドエムであるものの、高い収益力と100億円を超える売上規模を誇る。前年比+20%を超える成長をつづけている多角事業展開企業であり、今後の業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2023年11月17日時点)

  • 株価:1,917円(10年来高値:2,997円)
  • 時価総額:301億円
  • 予想PER:14.4倍
  • PBR:2.55倍
  • 予想配当利回り:1.98%
  • 自己資本比率:76.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,130人(2023年3月31日時点)

■エフアンドエムの業績は?

 エフアンドエムの2024年3月期の第二四半期の売上高は67.6億円(前年比+21.8%増)、営業利益9.4億円(前年比+4.3%増)の増収増益。エフアンドエムの売上総利益率は+66.5%(前年は+68.2%)、営業利益率は+14.0%(前年は+16.4%)と営業利益率は+10%を超えている。

 エフアンドエムの売上総利益は前年の37.8億円→44.9億円と+7.1億円の増加、販管費は前年の28.8億円→35.6億円と+6.7億円の増加となり、差し引きで営業利益は9.0億円→9.4億円の+0.4億円の増加にとどまった。

■エフアンドエムの事業内容は?

 おそらく、エフアンドエムという会社を知っている人はほとんどいないだろう。アカウンティング事業、コンサルティング事業、ビジネスソリューション事業と大きく3つの柱があり、コンサルティング事業の売上高が全体の約半分を占めている。また、セグメント別利益をみても、コンサルティング事業がほとんどの利益を稼いでいる。

 決算説明資料は各事業の内容を詳細に説明していてわかりやすい。アカウンティング事業の会計サービス「カルク」は生保営業職員(個人事業主)の記帳サービスがメインだ。領収書、レシートなどを預けるだけで経理業務が完結するもの。スマホアプリでスキマ時間で完了できる手軽さが「カルク」の強み。顧客数は9.1万人。生保営業職員は19.2万人おり、「カルク」のシェアは43.4%と高い。

 コンサルティング事業は、中小企業の資金繰り、労働管理、採用、補助金などの総合サービス。月額会費3.3万円のサブスクリプション型サービスだ。現在の会員企業数は9,829社とかなり多い。「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」など公的制度の活用を支援。

■エフアンドエムの財務状況は?

 エフアンドエムの2023年9月末時点の財務諸表をみると、現預金は47.7億円、有形固定資産は27.7億円、ソフトウェアが32.9億円となっている。ソフトウェアの資産残高が大きいのは気になるところ。負債をみると、有利子負債は特にない。財務的には健全だ。

 エフアンドエムの従業員数は582名、平均年齢は38.5歳、平均勤続年数7.7年で、平均年収はなんと825万円。それほど知名度の高い企業ではないものの、平均年収がかなり高い。事業基盤がしっかりしており、利益の出せる会社であるだけある。

■エフアンドエムの株価推移は?

 エフアンドエムの時価総額は約300億円。株価指標的には割高感はない。前年比+20%を超える成長をつづけており、まだまだ期待感がある。2024年3月期の業績予想は売上高164億円、営業利益27.6億円、営業利益率+16.8%。1株当たりの利益(EPS)は133円を予想しており、予想PERを20~25倍で考えると、予想株価は2,660円~3,325円となる。現在の株価1,917円と比べると上昇の余地があることがわかる。

(画像1)エフアンドエムの株価推移

以 上

 

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