220万人の会員を有するイベントECサイト「machicon JAPAN」を展開したり、オンラインデーティングアプリ「CoupLink」や恋愛専門情報メディア「KOIGAKU」、カップル専用アプリ「Pairy」や結婚相談所関係のビジネスを展開しているリンクバル。いわゆる、出会いをテーマとしたビジネスを展開している会社だ。コロナ禍で苦戦しており、リンクバルの今後はどうなるのか?
イベントECサイトの売上減、「machicon JAPAN(街コン・ジャパン)」リンクバルの行方は?(2021年6月27日投稿)
イベントECサイト運営のリンクバル、コロナ後の事業回復に期待!(2021年1月24日投稿)
■基本情報(2022年2月4日時点)
- 株価:227円(10年来高値:1,765円)
- 時価総額:44億円
- 予想PER:ー
- PBR:2.5倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:84.4%
- 会計基準:日本基準
■リンクバルの業績は?
リンクバルの2022年9月期の第一四半期の売上高は1.9億円(前年同期は2.4億円)、営業損失は△76百万円(前年同期は△31百万円)と低迷している。リンクバルの売上総利益率は+96.1%(前年同期は+94.9%)と高いものの、四半期ベースの販管費は2.6億円ほど発生しており、売上高を超える固定費が発生しているのが現在の状況だ。
年間で約10億円の販管費をカバーできる売上高の確保が喫緊の課題になっている。心配なのは、2021年10月~12月は緊急事態宣言も発令されず、この2年間のあいだでは極めて平常な期間であったものの、リンクバルの売上高が回復基調に入っていない点が気になる。社会の変化により、オンライン婚活などあたらしい出会いサービスに顧客が流れている可能性が高い。その点に注意が必要だ。
■リンクバルの戦略は?
リンクバルの動きを見ていると、とにかくコロナ感染拡大による緊急事態宣言や蔓延防止法などの人流抑制の動きが収まり、コロナ禍以前に社会が戻るのを待つというスタンスだ。
レシピサイトのクックパッドなどみても、インターネットビジネスは流れに乗ると売上拡大の流れは早いものの、社会の変化やあたらしいサービスにより代替されると、一気にサービスや商品が陳腐化するリスクがあるので注意が必要だ。リンクバルは本当に街中に人流が戻ったときに、どこまで売上高が戻るか先行きを見極める必要がある。
■リンクバルのサービスは?
リンクバルの主力サービスは、コト消費ECサイトとして展開している「machicon JAPAN」というイベント掲載サイト。220万人の会員を有しているものの、現在のアクティブユーザ数は公表されておらず、使用状況が見えない状況だ。マッチングアプリ(ペアーズ、withなど)はオンラインの顔合わせも開始しており、コロナ禍で「出会い」の需要を他のサービスに奪われていないだろうか?
リンクバルはWEBサービス運営サービスとして、オンラインデーティングアプリ「CoupLink」やマタニティー婚エージェントサービス「ママ婚」、オンライン結婚相談所「Marriage Style」などを展開しているものの、売上規模はまだ小さい。
■リンクバルの株価推移は?
リンクバルの時価総額は44億円。すでに10年来高値(3年前)から8分の1くらいまで株価は下がっており、この3年間でリンクバル株を購入したほとんどの人が含み損の状況だ。リンクバルは現預金を18億円もっているため、あと数年、同じような社会の状況でも無借金で切り抜けられる財政状況ではある。
コロナ禍が終了し、イベント会社(街コン、カップリングパーティ他)が活動を再開した場合には再び「machicon JAPAN」が活用され、業績が回復するのか引き続きウォッチが必要だ。現在は事業規模に対して固定費が高過ぎるため、もう少し規模を縮小することも検討必要かもしれない。2021年9月30日時点で社員数は71名、年収500万円(会社負担の社会保険など考慮すると1名あたり年550万円)と考えると、年間3.9億円の人件費となる(2021年9月期の売上高は6.7億円)。
以 上