プロテイン販売が支えるカーブスの業績、コロナ禍の戦略は?

 「女性だけの30分フィットネス」で50代以上の女性をターゲットにフィットネスクラブを展開しているカーブス。新型コロナウイルスの感染拡大で会員が激減し、カーブスは復活のステップを進んでいる段階だ。カーブスはフランチャイズ方式で拡大しており、売上高はロイヤリティよりもプロテイン販売が経営を支えているというのが実態だ。カーブスの株価と業績はどうなるのか?

「女性だけの30分フィットネス」展開のカーブス!プロテイン販売で経営を支える(2021年4月29日投稿)

■基本情報(2022年2月4日投稿)

  • 株価:720円(10年来高値:1,072円)
  • 時価総額:676億円
  • 予想PER:42.2倍
  • PBR:7.38倍
  • 予想配当利回り:0.97%
  • 自己資本比率:26.3%
  • 会計基準:日本基準

■カーブスの業績は?

 カーブスの2022年8月期の第一四半期の売上高は64.6億円(前年同期比+13.0%増)、営業利益4.9億円(前年同期は△10百万円)の増収黒字展開となった。カーブスの売上総利益率は+43.8%(前年同期は+43.8%)、営業利益率は+7.6%(前年同期は赤字)。

 カーブスは海外事業のフランチャイズ権益を持っており、海外事業を展開しているものの、売上高の98.9%は国内事業によるもの。海外は売上高71百万円、営業利益△125百万円と苦戦中だ。スペイン、イタリア、英国を中心とした8ヵ国の154店舗が営業中だ。

■プロテイン販売が経営を支える!

 カーブスの2022年8月期の第一四半期の売上高は64.6億円。そのうち、ロイヤリティは15.2億円、カーブス直営事業は5.8億円、会員向け物販(うち、96.2%はプロテイン)が36.8億円と全体の57%を占めている。カーブスはフィットネスクラブというイメージが強いものの、事業のベースはフランチャイズ方式で多店舗展開し、その会員にプロテインを物販することで大きな収益を稼ぐビジネスモデルとなっている。

 物販販売はほぼコロナ前の水準まで回復しており、定期販売で安定した売上計上があることが重要なポイントだ。今後、いかに会員を増やし、物販を増やしていくかが、カーブスの再成長のキーになる。

■減る店舗数!?

 カーブスの店舗数は2021年11月末時点で1,953店舗。1年前の2020年11月末は2,000店舗あり、この1年間で47店舗の減少となった。出店数に対して、閉店数が上回っているため、店舗総数が減少している。会員数は2020年2月末に83.2万人いたものの、新型コロナウイルスが拡大した2020年3月以降に休会が増え、2021年11月末時点で74.8万人と約8.4万人の減少となっている。足元は回復傾向となり、会員数が戻りつつある。

 現在はテレビCMやネット広告などの展開により、会員数の早期回復に向けて施策を進めている段階だ。カーブスが定義するヤング層(50~64歳)と65歳以上の両方の対象の入会が復調傾向になっており、2021年8月~11月は四半期で過去最高の入会数となった。

■期待できるか「メンズ・カーブス」!?

 カーブスは津山市(岡山県)、浜松市(静岡県)に「メンズ・カーブス」をオープン。現在はノウハウを集めて、2023年度から多店舗展開を模索中だ。年配者の女性は買い物ついでにカーブスに寄ることが多いが、いかに年配者の男性を集客するか、会員獲得のストーリー(マーケティング)づくりが重要になる。

■カーブスの株価推移は?

 カーブスの時価総額は約680億円。プロテインの販売で売上高は安定しているものの、店舗数は減少に転じており、あたらしく成長軌道にのせる戦略があるか、いまのところ見えない状況だ。株価指標的に予想PER、PBR、配当利回りなどみると、割安感は感じられない株価になっている。いまのところ、様子見が無難ではないだろうか。

(画像1)カーブスの株価推移

 以 上

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