上場会社や金融商品向けのディスクロージャーや上場企業のIRサポートなどを展開しているプロネクサス。株主総会、決算関係、株主通信などの上場企業向けのサポート、そして、投資信託、J-REITなどの金融商品ディスクロージャーのサポート、企業情報データベースなどのデータベース事業などを展開している。プロネクサスの業績と株価はどうなるのか?
■基本情報(2024年3月29日時点)
- 株価:1,223円(10年来高値:1,610円)
- 時価総額:339億円
- 予想PER:18.9倍
- PBR:1.2倍
- 予想配当利回り:2.94%
- 自己資本比率:67.9%
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:25,732人(2023年3月31日時点)
■プロネクサスの業績は?
プロネクサスの2024年3月期の第三四半期の売上高は240億円(前年比+13.0%増)、営業利益31.2億円(前年比+25.8%増)の増収増益。プロネクサスの売上総利益率は+38.4%(前年は+37.8%)、営業利益率は+13.0%(前年は+11.7%)と利益率は改善。
プロネクサスの売上総利益は前年の80.2億円→92.1億円と+11.9億円の増加、販管費は55.8億円→61.4億円と+5.6億円の増加となり、差し引きで営業利益は+6.4億円の改善となった。
■プロネクサスの事業内容は?
プロネクサスは上場企業向け、金融商品向けのディスクロージャーを主なビジネスとしている。最近では上場企業のIR・イベント関連が大きく成長しており、前年比+37.3%の伸びとなっている。現在、プロネクサスは非印刷分野としてイベントなどの事業に力を入れており、非印刷事業の売上高比率は59%となっている。非印刷事業は成長分野として、WEB、セミナー、イベント、海外進出支援などを行っている。
プロネクサスの上場企業向けの売上高比率は全体の約70%、金融商品向けは約25%となっている。上場会社を中心に約4,000社の会社とビジネスを行っており、上場企業は約2,300社。
■プロネクサスの歩みは?
プロネクサスは1930年に創業し、当初は株券印刷をメインにしてきた。1980年頃から上場会社のディスクロージャーの支援を担うようになり事業規模は大きく成長。そして、金融ビッグバンにより金融商品向けのディスクロージャーのニーズが高まり、現在はイベント・データベースなどと事業領域を広げている。
プロネクサスの過去20年の業績をみると、2008年3月期のリーマンショック前までに売上高は224億円、営業利益35億円まで拡大したものの、リーマンショック、上場株券の電子化などで大きく向かい風となった。そこから非印刷事業を強化しているものの、利益面では過去の業績を超えることができていない。
プロネクサスの従業員数は連結ベースで1,651名、単体で875名。単体の平均年齢は42.5歳、平均年収は703万円。給与水準は高い。
■プロネクサスの株価推移は?
プロネクサスの時価総額は約340億円。株価指標的には割高感はないものの、割安感もそれほどない。予想配当利回りが3.0%近くまであるものの、高配当の銘柄はほかにも多いので、それほど目立った利回りではない。
プロネクサスの業績は堅調であるものの、株券の電子化以前の業績と比べると収益性の悪化が目立つ。しかしながら、2017年につけた上場来最高値をうかがうレベルまで株価は回復している。今後も堅調に推移するのではないだろうか。
以 上