成長性・収益性が大幅悪化のINTLOOP(イントループ)、株価は調整か?

 事業戦略やITコンサル、プロジェクトマネジメントなどのコンサルティングサービスを中心に提供しているINTLOOP(イントループ)。自社社員とフリーランスとのハイブリッドチームを組んでサービスを提供するのが特徴。24年2Qから連結化したディクスホールディングスの事業が加算されるため、本四半期には未反映。その結果、ほぼ売上規模が横ばいとなった。今後のINTLOOPの業績と株価の行方は?

複合的コンサル会社のINTLOOP(イントループ)、フリーランスの活用も!(2023年9月17日投稿)

■基本情報(2023年12月15日時点)

  • 株価:3,500円(10年来高値:8,880円)
  • 時価総額:162億円
  • 予想PER:14.7倍
  • PBR:4.1倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:37.9%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,298人(2023年7月31日時点)

■INTLOOPの業績は?

 INTLOOPの2024年7月期の第一四半期の売上高は48.8億円(前年比+2.9%増)、営業利益は1.8億円(前年比△46.8%減)の増収減益。INTLOOPの売上総利益率は+24.5%(前年は+22.7%)、営業利益率は+3.6%(前年は+7.0%)と売上総利益率は改善しているものの、営業利益率は悪化。

 INTLOOPの売上総利益は前年の10.8億円→11.9億円と+1.1億円の増加、販管費は前年の7.5億円→10.2億円の+2.7億円の増加となり、差し引きで営業利益は△1.6億円の減少となった。粗利は増えているものの、それ以上に販管費の伸びが大きかった。

 販管費の内訳をみると、人件費が+1.5億円の増加、採用費が+0.6億円の増加となっており、販管費の増加の要因だ。

■INTLOOPの事業状況は?

 INTLOOPの事業内容はわかりにくい。簡単に言うと、ミニアクセンチュアのようにITやプロジェクトマネジメントなど多面的なコンサルティングサービスを提供している。特徴的なのは、フリーランスとの混成チームを組んで、顧客の課題解決にあたっている点だ。INTLOOPのコンサルタントは699名、ITエンジニアは540名となっている。

 現状、INTLOOPは一定の売上規模があるので期待感は残るものの、ベイカレント・コンサルティングのように規模拡大にはコンサルタントをいかに採用するかがポイントになる。その採用コストと人件費をコントロールしながら、案件を積み上げていけるかがポイントだ。

DXコンサルティングのベイカレント、業績好調つづく!(2021年10月23日投稿)

■INTLOOPの財務状況は?

 INTLOOPの2023年10月31日時点の財務諸表をみると、現預金は46億円、売掛金等は33億円、のれん5億円となっている。負債は、有利子負債が25億円、買掛金が20億円となっている。財務的には健全だ。

 INTLOOPは2022年7月8日に東証グロースに上場。上場時の初値は株価3,150円(時価総額:145億円)。上場により約23億円を調達している。

■INTLOOPの株価推移は?

 INTLOOPの時価総額は約160億円。現在の業績予想は、売上高286億円(前年比+60%増)、営業利益18億円(前年比+63%増)を計画。もし、この計画を達成できるなら、いまの株価は割安だ。株価は成長性と収益性に大きく左右され、INTLOOPの収益性はそれほど高くないため、成長性の要素が大きい。成長性が前年比+60%と非常に高い水準を達成できるなら、株価は大きく反発するはずだ。

(画像1)INTLOOPの株価推移

以 上

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