マッチングビジネス(送客)のじげん(ZIGExN)、業績は急回復!

 「リジョブ」「スモッカ」「リショップナビ」「アップルワールド」など顧客企業への送客を目的としたマッチングビジネスを展開している、じげん。人材、不動産・リフォーム、生活を事業領域に一括検索やメディアなどを通して、個人顧客を顧客企業に送客するビジネスモデルを築いている。一括検索サイトの「アルバイトEX」「転職EX」「派遣EX」「看護師求人EX」。じげんの業績と株価の行方はどうなるのか?

求人や不動産など情報サイト一括検索じげん(3679)、売上高の停滞からの脱却は?(2020年6月6日投稿)

■基本情報(2022年2月18日投稿)

  • 株価:298円(10年来高値:1,235円)
  • 時価総額:333億円
  • 予想PER:10.7倍
  • PBR:2.25倍
  • 予想配当利回り:1.17%
  • 自己資本比率:68.8%
  • 会計基準:IFRS基準

■じげんの業績は?

 じげんの2022年3月期の第三四半期の売上高は112億円(前年同期比+27.0%増)、営業利益23.6億円(前年同期は△20億円の赤字)と業績は急回復。じげんの売上総利益率は+83.6%(前年同期は+83.1%)、営業利益率は+21.0%と高い。前年度の営業損失の要因は「のれん」などの約40億円の減損が要因だ。あくまで会計上の損失のため、キャッシュアウトはない。

 2021年度は新型コロナウイルスによる業績落ち込みがあったものの、一昨年を上回る売上高を出している。ストック型の売上高が事業を支えている。じげんは人材、不動産、生活の3つの領域がそれぞれ売上高を分散する規模があり、安定した事業成長を実現しているのが特徴だ。不動産の「スモッカ」は第四四半期に売上高が集中する傾向があり、現時点の進捗率も想定の範囲。

■法人顧客数の推移は?

 法人顧客数は過去最高の2.0万社を突破。四半期ベースのストック売上高は23億円となり、ストック売上だけで80億円を超えるレベルまで成長している。生活分野は前年同期比+23.4%増、不動産分野は前年同期比+16.2%増、人材分野は前年同期比△0.3%減。人材分野の成長がマイナスとなった。

■巨額の「のれん」が気になる

 じげんの財務諸表を見るときに気になるのは66億円の「のれん」だ。「のれん」以外にも、使用権資産と無形資産を合計すると90億円くらいの超過収益力となる資産を計上している。

 じげんは2021年3月末までに累計19件のM&Aを実施。その結果として利益の積み上げもあるものの、IFRS基準を採用しているため巨額の無形資産(のれん含む)が存在する。IFRS基準では減損リスクが生じることも注意が必要だ。なお、2021年3月期の第二四半期に約40億円の減損を実施済み。

 じげんは基本的にキャッシュリッチな会社。収益力が高く、設備投資が不要なビジネスモデル。2021年12月末時点で86億円の現預金を保有しており、有利子負債は22億円ほどのため、約60億円のネットキャッシュを保有している。

■じげんの株価推移は?

 じげんの時価総額は約330億円。じげんの2022年3月期の第二四半期の営業キャッシュフローは+25.4億円。法人税支払いなど考えても、毎年+30億円前後のキャッシュ創出力がある。現在は年間売上規模160億円に対して、販促費(広告費含む)を約40億円つかっている状態。

 じげんの株価については株価指標的には割安であるものの、なかなか大きく上昇しない。企業自体は着実に成長しているものの、株価は右肩あがりで上がっていない残念な状態。じげんの株価については、相場の勢いや需給次第では時価総額500~1,000億円を目指せるポテンシャルは十分ある。

 株主構成として機関投資家の保有比率は30%前後となっており、需給として機関投資家が買い上げる段階ではない。ここからの株価上昇については、何らかのキッカケがほしいところであるが、じっくり待つことが必要かもしれない。配当性向の目安は12%~20%としており、増配の余地は十分ある。

(画像1)じげんの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする