営業利益率10%超のエスプール、障がい者雇用支援の強い!

 コールセンター業務のBPOや障がい者雇用支援サービスを展開しているエスプール。連結従業員数は1,100名、拠点68か所。主に企業のアウトソーシングをさまざまな面でサポートする事業を行っている。人材派遣などの人材ソリューション事業(売上高比率:69%)、障がい者雇用支援などのビジネスソリューション事業(売上高比率:31%)。エスプールの業績と株価の行方は?

コールセンター派遣のエスプール(2471)、コロナ禍でも業績伸ばす、株価好調!(2020年10月25日投稿)

■基本情報(2022年8月5日時点)

  • 株価:1,084円(10年来高値:1,410円)
  • 時価総額:856億円
  • 予想PER:40.1倍
  • PBR:12.8倍
  • 予想配当利回り:0.73%
  • 自己資本比率:41.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:6,488名(2021年11月30日時点)

■エスプールの業績は?

 エスプールの2022年11月期の第二四半期の売上高は137億円(前年比+17.4%増)、営業利益15.7億円(前年比+32.1%増)の増収増益。エスプールの売上総利益率は+32.2%(前年同期は+28.9%)、営業利益率は+11.5%(前年同期は+10.2%)と高い水準を維持している。

 販売管理費が前年同期の21.8億円→28.4億円と約6.5億円増加しているものの、売上総利益額が+10.4億円増加しており、うまくカバーできている。

 売上高の内訳をみると、障がい者雇用支援などのビジネスソリューション事業が前年同期比+35.4%増と大きく伸びており、利益額も大きい。具体的にはビジネスソリューション事業の売上高は46.8億円、営業利益13.3億円、営業利益率+28.4%。いっぽう、コールセンターなどへの人材派遣である人材ソリューション事業は売上高90.4億円、営業利益10億円、営業利益率+11.0%となっている。

■エスプールの事業内容は?

 エスプールの人材ソリューション事業は企業や官公庁・地方自治体などへの人材派遣サービス、BPOサービス(外注アウトソーシング)、育成型転籍サービス(人材紹介)がメイン。パーソルやパソナ、リクルートなどの総合人材会社と競合する分野だ。

 エスプールの主力である障がい者雇用支援は、企業向けに農園をつくり、そこで障がい者雇用をして企業の障がい者雇用率の改善に貢献するというもの。就労者数は2,783名、利用企業者数459社と高い数値になっている。障がい者雇用に不安がある企業もエスプールに外注・委託してサポートしてもらうというもの。

 ビジネスソリューション事業は、その他にも、EC通販の発送代行、採用支援サービス「OMUSUBI」、販売促進支援(セールスサポート)など幅広いアウトソーシング事業を行っている。

■エスプールの財務状況は?

 エスプールは意外にも固定資産取得の投資キャッシュフローの支出が多い。有形固定資産の建物・構築物が69億円計上されており、稼いだ利益を設備投資(おそらく農園取得などがメインか)に充てるケースが多い。現預金は39億円もっているものの、有利子負債は約50億円ほどある。

その結果、利益率は高いものの、連結配当性向は29.6%となっており、2025年度までに連結配当性向を30%以上に高める配当方針をかかげている。言い換えると、配当性向としては30%前後として、設備投資や社内への利益留保にあたる方針だ。

■エスプールの株価推移は?

 エスプールの時価総額は約860億円。株価指標的には割高感があるものの、障がい者雇用支援という面で投資家が集まってきているかもしれない。障がい者雇用支援という面ではウェルビーのほうが株価的には割安感がある。ウェルビーの年間売上高は99億円、営業利益25億円であるものの、時価総額は240億円前後と割安感が大きい。

コールセンター派遣のエスプール(2471)、コロナ禍でも業績伸ばす、株価好調!(2022年8月6日投稿)

 エスプール、ウェルビーともに社会貢献の側面が大きく、企業としての成長をこれからも応援したい。利益をしっかり出して納税しているところも好感がもてる。

(画像1)エスプールの株価推移、きれいな右肩あがり

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする