コールセンター派遣のエスプール(2471)、コロナ禍でも業績伸ばす、株価好調!

 コールセンターを中心に人材派遣をおこなっているエスプール。エスプールは障がい者雇用支援サービスとして「わーくはぴねす農園」という障がい者雇用率向上のサービスも提供している。障がい者の法定雇用率の引き上げが2021年3月1日施行でおおむね合意し、問い合わせが増加中。社会の需要に適切に対応しながら、エスプールはしっかり業績をのばしている。エスプールの株価も好調で、コロナ禍のなかで上場来最高値圏まで上昇中だ。今後の株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年10月23日時点)

  • 株価:753円
  • 時価総額:595億円
  • 予想PER:46.1倍
  • PBR:15.19倍
  • 予想配当利回り:0.43%
  • 自己資本比率:36.8%
  • 会計基準:日本基準

■エスプールの業績は?

 エスプールの2020年11月期の第三四半期の売上高は153億円(前年同期比+20.2%)、営業利益15.6億円(前年同期比+29.5%)と大幅な増収増益となった。コロナ禍のなかで人材サービス会社が苦戦するなか、事業規模が+20%以上も拡大している企業はほとんどない。エスプールの主力がコールセンター向けであり、リモートワークなどに対応している顧客が多いのがプラスにでた形だ。

 エスプールの営業利益率は10.2%。売上高が+20.2%増加しているものの、販売管理費の増加が+14.5%と抑制できたため、営業利益率は改善傾向となっている。

■エスプールの事業内容は?障がい者雇用支援サービスとは?

 エスプールの事業は人材ソリューション事業とビジネスソリューション事業の2つが大きな柱。売上高を見ると、人材ソリューション事業が全体の約74%を占めているものの、営業利益は60%ほどにとどまる。ビジネスソリューション事業の営業利益率は25%を超えており、エスプールの収益構造でプラスに作用しているからだ。

 人材ソリューション事業では、主にコールセンターやスーパーマーケットなどに人材を派遣している。稼働スタッフ数は月あたり約5,700名(前期比+15%)だ。

 ビジネスソリューション事業を引っ張っているのは、障がい者雇用支援サービスだ。「わーくはぴねす農園」という屋内または屋外の農園を立上げ、顧客企業が障がい者を雇用して農園を運営するというサービスを提供している。企業による障がい者の法定雇用率が2.3%に引き上げられる見込みで、ますます需要が伸びる環境がととのってきた。

 顧客企業によっては、障がい者の雇用経験がなかったり、障がい者社員が受け持つ仕事がなかったりする。その問題を解決するため、エスプールは「わーくはぴねす農園」の仕事と事業モデルを顧客に紹介・運営サポートする事業をおこなっている。現在では利用企業は300社以上、就労者数は1,700名を超える規模まで成長している。この事業は運営管理費、設備(区画)販売、人材紹介料の3つから収益を計上しており、サービスを利用する企業が増えれば、継続的な収入が入ってくるビジネスモデルとなっている。

■エスプールの業績推移!

 エスプールは2015年頃から業績が拡大し、年間の売上高は200億円を突破。事業規模が拡大しただけでなく、利益をしっかり出せる事業構造に転換できた点が株式市場で評価されている。

■エスプールの株価の行方は?

 エスプールの株価推移は順調だ。2020年2月からのコロナショックで一時的に調整したものの、現在はコロナショック前までの水準まで戻っている。エスプールはそれほど注目を集めた銘柄ではないものの、業績と事業内容が評価され、堅調な株価推移をたどっている。現在の時価総額は約600億円。障がい者雇用支援サービスの拡大余地は大きく、利用企業が300社から倍増することができれば売上高は+20億円ほど積み増し可能だ。ただし、エスプールは株価水準的には割安ではないので、相場の状況次第では大きく調整する可能性もあるので注意が必要だ。

(画像4)右肩あがりのトレンドがつづくエスプールの株価推移

以 上

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