建設・オフィス等のレンタルビジネスのコーユーレンティア、株価は割安!

 建設・オフィスなどのレンタル関連事業やスペースデザインなどを展開するコーユーレンティア(以下、レンティア)。2020年2月にジャスダック上場。1970年設立の古い企業で連結ベースでの従業員は約670名。建設現場事務所やスポーツ、国際会議、コンサートなどの什器、備品、通信設備などのレンタルを行っている。レンティアの業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2022年3月18日時点)

  • 株価:1,341円(10年来高値:2,625円)
  • 時価総額:72.6億円
  • 予想PER:7.2倍
  • PBR:1倍
  • 予想配当利回り:2.98%
  • 自己資本比率:47.0%
  • 会計基準:日本基準

■レンティアの業績は?

 レンティアの2021年12月期の売上高は240億円(前年比+11.3%増)、営業利益25.2億円(前年比+82.4%増)の増収増益。レンティアの売上総利益率は+41.5%(前年は+38.8%)、営業利益率は+10.5%(前年は+6.4%)。

 東京オリンピックやパラリンピックのイベントによるレンタル資産の運用が大きく上がったことが好業績の要因と分析している。レンティアの決算説明資料をみると、2021年度の売上高のうち、23億円は特需によるものとしている。

 レンティアの2022年12月期の業績予想は売上高226億円、営業利益17億円、営業利益率7.5%としており、2021年12月期より悪化する予想だ。レンティアは保守的に計画を出す傾向があるため、そのまま業績予想を信じることはできないが、たしかにオリンピック特需があったことは事実だろう。

■レンティアの事業内容は?

 レンティアはスポーツ・コンサート・建設現場などへのレンタル関連事業、スペースデザイン事業、物販の3つの柱の事業をおこなっている。特に売上比率が高いのがレンタル関連事業で売上高の約70%を占めている。オフィス、イベント、太陽光システムなどのレンタルを行っている。

 もう一つのスペースデザインの売上高比率は約17%。不動産仲介サービス、オフィス移転、クリーニングサービスなど不動産関連の事業を行っている。

 レンティアの売上高推移を見ると、年間売上高200億円超で低迷している。2021年度はオリンピックの特需があったものの、それらの特需を除くと売上規模は横ばいという状況だ。成長性がみられない点がレンティアの株価が伸びない要因のひとつ。

■レンティアの配当と株主優待は?

 レンティアは1株あたり43円の配当を行っており、予想配当利回りは2.98%。1株あたりの利益(EPS)は185円で、1株あたり40円の配当の場合、配当性向は21.6%で余力はある。

 レンティアはキャッシュを稼ぐ力があり、有利子負債も残り17億円ほどになっている。2021年度に7.7億円(前年は13.6億円)を返済している。営業キャッシュフローは17~33億円ほど稼いでおり、あと2年くらいで無借金企業になるのではないだろうか。

 レンティアは株主優待を実施している。ウィルズの「コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部」で700株以上を持っていると30,000ポイントの贈呈がある。実質1ポイント=0.7円くらいの価値のため、21,000円くらいの価値がある。「コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部」は家電、食品、宿泊券などと交換できるポイントサイトで、最近は活用する企業も多い。レンティアとしては株価対策の施策のひとつとして2021年10月に導入を発表した。

■レンティアの株価推移は?

 レンティアの時価総額は73億円。株価指標的に割安だ。レンティアの株価が伸びない要因は成長性に尽きる。割安感はあるものの、グロース銘柄ではないため、注目度が低く、日中の出来高も少ない。

 レンティアの財務諸表をみると、利益余剰金は54億円あり、株主還元も積極的な印象。リユース、リサイクルというエコな事業領域であるものの、伸びる分野ではないと見られているのかもしれない。確かにレンタルも建設現場の比率が45%ほどあり、東京オリンピックも終わり、工事需要が減っていく可能性はある。

 ただし、レンティアは実力のある企業であり、じわりじわりと株価は底上げされていくのではないだろうか?まずは上場日である2020年2月7日の上場高値2,625年を突破することが第一目標となりそうだ。気になるのはワイドフレンズという筆頭株主が77%の株式を保有している点だ。どこかのタイミングで売出しがあるのではないかと考えてしまう。

(画像1)コーユーレンティアの株価推移

以 上

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