シングルサインオンのHENNGE(へんげ)、株価低迷も業績は反発か?

 シングルサインオンを提供しているHENNGE(へんげ)。主力サービスのHENNGE Oneが前年同期比+17.3%増となり、結果として売上総利益が増えて営業利益が黒字展開した。年間売上高は57.8億円、営業利益4.3億円を計画している。HENNGEの業績と株価はどうなるのか?

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■基本情報(2022年7月1日時点)

  • 株価:834円(10年来高値:5,305円)
  • 時価総額:271億円
  • 予想PER:99.2倍
  • PBR:13.3倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:43.7%
  • 会計基準:日本基準

■HENNGEの業績は?

 HENNGEの2022年9月期の第二四半期の売上高は27.0億円(前年同期比+17.3%増)、営業利益3.5億円(前年同期は△23百万円の赤字)と増収黒字転換となった。HENNGEの売上総利益率は+84.6%(前年同期は+83.1%)、営業利益率は+12.9%。

 HENNGEの財務状況を見ると、現預金は32.4億円あるものの有利子負債はゼロとなっている。自己資本比率が44%と低いのは、前受収益(負債)として18億円のサービス代を先に受け取っていることが影響している。

■HENNGEの事業状況は?

 HENNGEの主力サービスのシングルサインオン(IDの統合サービス、アクセスコントロール、1つのアカウントでoffice365、セールスフォースドットコムなど複数のクラウドサービスを利用できるサービス)の「HENNGE One」。シングルサインオンの競合としては、GMOグローバルサイン、NTTコミュニケーションズ、Okta、OneLogin、インターネットイニシアティブなどがある。

 HENNGEは当初、Saas型のビジネスとして一時は時価総額1,000億円を超えていたものの、高値からすでに5分の1以下まで株価は下落している。ラクス、freee、Sansanなどのクラウドサービスと比べると成長性が前年比20%を割っていることが要因のひとつ。もう一つは、広告宣伝費をそれほど使っておらず、将来的に爆発的な利益の増加の見通しが見えないという利益構造の課題がある。

 ラクスやSansanなどは大量の広告宣伝費を計上しており、将来的に顧客が一定規模になったところで広告宣伝費削減により高い利益を計上できる見通しがあり、それが投資家に評価されている。いっぽう、HENNGEの広告宣伝費は約6.7億円ほどで、それほど削減余地がない。

■競合他社が多い!

 HENNGEのシングルサインオンは競合他社が多いのが特徴だ。業界的に圧倒的なポジションを気づけておらず、将来的に価格競争に陥る可能性もありえる。HENNGE Oneの現在の契約企業数は2,056社、契約ユーザ数は223.9万人となっている。この規模感をみると、それほど成長余地(売上高が増える余地)がなさそうに見えてしまう。

2018年度までは成長率が+30%を超えていたものの、2019年~2021年は+20%台、2022年度は20%台を割っている現状だ。

■HENNGEの株価推移は?

 HENNGEの時価総額は約270億円。一時は時価総額1,000億円を超えていたものの、一気に株価下落となった。なお、2021年12月31日付で株式分割をしており、1株→2株に分割済み。

 HENNGEだけでなく、アフターコロナでグロース銘柄に資金が流入した結果、一時的に株価が盛り上がったと言えるかもしれない。現在の株価は割安かどうか見ると、割安ではない。将来的には年間営業利益20~30億円くらいはほしい株価水準だ。

(画像1)HENNGEの株価推移

以 上

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