成長が止まったグロース銘柄のマクアケ、ほぼ利益がでない状況!

 新商品などのテストマーケティングを実施できる「Makuake」を展開しているマクアケ(Makuake)。前年同期比の成長率は+4.0%とグロース銘柄と言えない状況となっている。利益はほぼ出ず。2021年2月の増資で約37億円を調達しているため、財務的には健全であるものの、増資を引き受けた海外投資家は大きな損を被っている。今後の業績と株価の行方は?

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■基本情報(2024年4月26日時点)

  • 株価:655円(10年来高値:13,770円)
  • 時価総額:83億円
  • 予想PER:1,679倍
  • PBR:1.66倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:75.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:9,171人(2023年9月30日時点)
  • 事業価値:44億円

■マクアケの業績は?

 マクアケの2024年9月期の第二四半期の売上高は18.6億円(前年比+4.0%増)、営業損益△98百万円(前年同期は△3.8億円の赤字)と増収赤字幅の縮小となった。マクアケの売上総利益率は+76.6%(前年は+81.8%)と約5ポイントの悪化となった。

 マクアケの売上総利益は前年の14.6億円→14.3億円と△0.3億円の悪化、販管費は18.4億円→15.2億円と△3.2億円の減少となり、差し引きで2.9億円の営業利益の改善となった。売上規模は伸びたものの、粗利率の悪化によって悪い傾向になっている。

■マクアケの事業状況は?

 マクアケの事業状況は悪い。応援購入総額という流通総額(GMV)は2024年9月期の第二四半期累計で85.5億円(前年は83.6億円)と+2.3%増となったものの、売上総利益が増えていない。GMVの20%を手数料として徴収するビジネスモデルのため、マクアケの活用企業(プロジェクト件数)×購入ユーザ(単価)の両方の増加が必要となる。

 プロジェクト毎の単価は前年同期比+12.8%増の114万円になったものの、プロジェクト件数が少なくなっている。アクセスユニークユーザ数は四半期累計で999万アクセス(前年同期は1,180万アクセス)と減少している。会員数は右肩あがりに増えているものの、会員解除する人がいないからだろう。

 マクアケの事業は停滞しているものの、従業員数は184名と前年同期の199名から5%くらいの減少にとどまっている。

■厳しい事業状況!

 マクアケはほぼ利益のでない状況になっている。売上規模が縮小しており、広告宣伝費を削っている状況だ。いまは生き残ることを優先して考える段階と言えるだろう。

 決算説明資料でくわしく会社の実情を開示しており、その姿勢には共感するところがある。しかしながら、その資料をみると、積極的にマクアケの株式を購入するタイミングではないと判断できるだろう。

■マクアケの株価推移は?

 マクアケの時価総額は約83億円。無借金で39億円の現預金を持っているため、事業価値としては約44億円と考えることができる。ただ、営業キャッシュフローが大きくマイナスとなっており、このまま現預金の減少とともに株価が下落する可能性は高いだろう。

以 上

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