「タレントパレット」のプラスアルファ・コンサル(PAコンサル)、成長つづく!

 人事情報・社員の見える化サービスのタレントパレット(Talent Palette)、マーケティングの見える化エンジン、CRM(カスタマーリレーションシップ)のカスタマーリングスなどビッグデータ関連のSaaS事業(サブスクリプション型ビジネス)を行っているプラスアルファ・コンサルティング(以下、PAコンサル)。順調に業績は伸びているものの、株価は上場来最安値圏となっている。今後の業績と株価の行方は?

業績牽引するタレントパレット、プラスアルファ・コンサルティングの成長!(2022年6月12日投稿)

ビッグデータ解析のプラスアルファ・コンサルティング、SaaS型で継続課金ビジネス!(2021年7月22日投稿)

■基本情報(2024年5月31日時点)

  • 株価:1,862円(10年来高値:4,480円)
  • 時価総額:787億円
  • 予想PER:24.2倍
  • PBR:7.57倍
  • 予想配当利回り:0.85%
  • 自己資本比率:78.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:7,860名(2023年9月30日時点)
  • 事業価値:696億円

■PAコンサルの業績は?

 PAコンサルの2024年9月期の第二四半期の売上高は64億円(前年比+24.4%増)、営業利益21.7億円(前年比+26.7%増)と増収増益。PAコンサルの売上総利益率は+73.5%(前年は+73.8%)、営業利益率+33.5%(前年は+32.9%)と高い利益水準となっている。

 PAコンサルの売上総利益は前年の38.4億円→47.6億円と+9.2億円、販管費は前年の21.3億円→25.9億円と+4.6億円の増加となり、差し引きで営業利益は+4.6億円の増加となった。PAコンサルは成長性、収益性ともに高いものの、最近は株価がイマイチな状況だ。

 とくに「タレントパレット」などのHRソリューションは営業利益率+49.4%(前年は+47.8%)と高い。顧客数は1,594件、解約率は0.28%と低い。

■PAコンサルの概要と事業状況は?

 PAコンサルは2006年12月設立のデータ分析を得意とする会社。連結ベースで従業員数は338名。有価証券報告書をみると、単体ベースで従業員数は262名、平均年齢31.7歳、平均年収は643万円。東京、大阪、福岡に拠点がある。ビッグデータを可視化するプラットフォームとして、「見える化エンジン」「カスタマーリングス」「タレントパレット」などを展開。

 マーケティングソリューションとHRソリューションの2つの領域で事業を展開している。基本的にサブスクモデルを採用。特に力をいれている「タレントパレット」は、パナソニック、三菱重工、ヤマハ発動機、リコー、花王、デンソーなど大手企業に採用されている。顧客の約40%は従業員数1,000人以上の会社。

 「タレントパレット」は、人材紹介・採用、研修・育成、福利厚生、ヘルスケア、労務管理など幅広く活用できるのが特徴だ。

■PAコンサルの将来は?

 PAコンサルの2027年度の目標は、売上高233億円、営業利益100億円、営業利益率+42.9%。2024年9月期の業績予想は売上高138億円、営業利益48億円、営業利益率+34.8%、1株あたりの当期純利益(EPS)77円。

 ここから推測すると、2027年度の予想EPSは約150円。予想PER15~25倍で試算すると、予想株価は2,250円~3,750円となる。現在の株価は1,862円のため、上昇余地があると言えるだろう。

■PAコンサルの株価の行方は?

 PAコンサルの時価総額は約800億円。経費精算のラクスの時価総額は約3,200億円、売上高380億円、営業利益56億円。名刺ツールのSansanの時価総額は約2,000億円、売上高330億円、営業利益18億円。中小企業向けの会計クラウドを提供するマネーフォワードは時価総額約2,800億円、売上高400億円。

 このようなITサービスを提供しているベンチマーク企業と比較すると、PAコンサルの評価が低いことがわかる。長期的には修正されていくのではないだろうか。

以 上

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