「KOMEHYO」「BRAND OFF」を国内外に展開し、個人またはリユース取扱事業者から中古品を仕入れて販売しているコメ兵ホールディングス(以下、コメ兵)。創業1947年、従業員数1,405名、国内店舗数215店舗(買取専門店160店舗)、海外店舗19店舗と幅広くネットワークを構築しているコメ兵。コメ兵の業績と株価の行方は?
■基本情報(2024年5月24日時点)
- 株価:4,300円(10年来高値:6,390円)
- 時価総額:484億円
- 予想PER:9.0倍
- PBR:1.65倍
- 予想配当利回り:2.32%
- 自己資本比率:44.4%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:5,941人(2023年3月31日時点)
- 事業価値:605億円
■コメ兵の業績は?
コメ兵の2024年3月期の売上高は1,195億円(前年比+38.7%増)、営業利益74.5億円(前年比+44.2%増)の増収増益。コメ兵の売上総利益率は+24.8%(前年は+26.2%)、営業利益率は+6.2%(前年は+6.0%)。利益構造的に営業利益率+10%を超えるのは難しいだろう。
コメ兵の売上総利益は前年の225億円→296億円と+71億円、販管費は前年の174億円→221億円と+47億円の増加となり、差し引きで営業利益は+24億円の増加となった。
現状はインバウンド含めた小売りが好調で、過去最高売上高を3期連続で達成。営業利益も3期連続で過去最高だ。
■コメ兵の事業モデルは?
コメ兵は自社の店舗、宅配、イベント、出張などで中古品を買い取り、店舗、EC、自社オークションで一般顧客または法人に売却するという事業モデルだ。
売上総利益率は+25%前後であり、いかに規模を伸ばすかがポイント。営業利益率は10%を目指す方向か。現状は小売が全体の48.4%、法人販売は51.6%と法人販売のほうが大きい。この法人販売から中小の販売店やECに時計・バッグなどのブランド品が流れてく流れだ。
海外展開しているものの、海外売上高比率は全体の9.8%、国内免税比率は全体の13.2%となっている。
■店舗戦略は?
コメ兵は仕入・販売ともに店舗を活用している。グループ全店で234店舗。そのうち、「KOMEHYO」が155店舗と多い。「BRAND OFF」は合計55店舗で、フランチャイズの買取専門店は28店舗ある。
コメ兵は商品センターを構築しており、真贋チェックやメンテナンスなどを実施している。在庫リスクのコントロールも実施。
■コメ兵の中期経営計画は?
コメ兵は2028年度に売上高2,500億円を目指す。グループ店舗数は420店舗、海外売上高比率は15%を目指す。この計画でも営業利益率は6.0%となっており、営業利益2ケタは事業モデル的に難しく、コメ兵経営陣も利益率の向上は目指していない。
■コメ兵の財務状況は?
コメ兵の2024年3月31日時点の財務諸表をみると、現預金は152億円、商品は243億円、有形固定資産は75億円となっている。負債をみると、有利子負債は270億円と大きい。しかしながら、リユース企業のほとんどが借入金に頼る事業モデルになっており、ブランド品の相場が崩れると、業界全体が在庫の投げ売りになる可能性がある点に注意が必要だ。
■コメ兵の株価推移は?
コメ兵の時価総額は約480億円。株価指標的には割安感がある。現状は右肩トレンドの株価チャートになっている。同業他社のバリュエンスが苦戦している中、トップランナーのコメ兵は堅調な成長を見せている。
時計など軟調の「なんぼや」バリュエンスホールディングス、営業赤字に転落!(2024年5月26日投稿)
以 上