業務用食品卸のトーホー、食品スーパー含め多面的に食品事業を展開!

 業務用食品卸売事業や食品スーパーなど多角的に業務用食品事業を展開しているトーホー。食品大手の国分ホールディングスが筆頭株主の会社。佐賀県佐賀市で1947年10月に「有限会社藤町商会」としてスタートし、1983年にトーホーに名称変更。1983年に大阪証券取引所第2部、福岡証券取引所に上場している老舗企業だ。

■基本情報(2023年2月3日時点)

  • 株価:1,659円(10年来高値:3,100円)
  • 時価総額:183億円
  • 予想PER:12.7倍
  • PBR:0.78倍
  • 予想配当利回り:1.2%
  • 自己資本比率:25.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:9,824人(2022年1月31日時点)

■トーホーの業績は?

 トーホーの2023年1月期の第三四半期の売上高は1,554億円(前年同期比+15.5%増)、営業利益21.4億円(前年同期は△14.5億円の赤字)と増収黒字転換となった。トーホーの売上総利益率は+20.0%(前年は+19.6%)、営業利益率は+1.4%。

 トーホーの売上総利益は264億円→310億円に約46億円の増加。販管費は279億円→289億円と+10億円の増加となり、差額の約36億円の業績改善となった。卸売業の事業モデルのため、売上総利益率がそれほど高くないのが悩ましい。いかに規模を拡大させるかがポイントになる。

■トーホーの事業内容は?

 トーホーは全体の約7割はBtoBの事業内容になっている。レストラン、ホテル、旅館、カフェ、居酒屋、病院などの業者に食品を卸売するビジネスが基本で、一般消費者向けは食品スーパーが窓口となっている。いわゆるプロ向けの商材を扱っている。株主である国分ホールディングスがBtoCを担っており、トーホーと商材・顧客をすみ分けた形だ。

 ディストリビューター事業(食品卸売)、キャッシュアンドデリバリー(BtoB、BtoCともに)で全体の約8割の売上高を占めており、利益もここから発生している。新型コロナウイルス感染拡大によりトーホーの事業はかなり苦戦していたものの、昨今のアフターコロナによる行動制限撤廃により業績は大きく反発している。展示会などの参加も積極的に実施している。

 2022年12月には業績の上方修正を実施し、売上高は2,120億円、営業利益29億円と上方修正を発表している。ただ、これでも営業利益率は+1.4%と低い。

■トーホーの財務状況は?

 トーホーの2022年10月31日時点の財務諸表をみると、現預金は85億円、商品は128億円、有形固定資産272億円、のれん62億円となっている。有利子負債は約280億円と少なくない。卸売の事業モデルのため、利益構造的にそれほどキャッシュを生むビジネスモデルではない。時価総額が事業規模にくらべて低いのは、利益率が大きな課題であることがわかる。

■トーホーの株価推移は?

 トーホーの時価総額は約180億円。2017年には時価総額が300億円を超えていたものの、下降トレンドがつづいている。事業規模の成長性と収益性が改善されないと、時価総額が300~500億円に行くことは難しいかもしれない。なお、中小居酒屋向けの業務食品の通販を実施しているミクリードには国分ホールディングスとともに出資している。

業務用食材・食品通販のミクリード、コロナ禍で需要回復つづく!?(2023年2月5日投稿)

(画像1)トーホーの株価推移

以 上

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