3つの項目を埋めるだけで簡単にネットショップを作成できるサービスを展開しているBASE。すでに120万を超えるネットショップが開設されている。これまではネットショップと言えば、楽天市場やヤフーショッピングに出店することが一般的だったものの、個人が簡単にネットショップを開設できる時代になった。新型コロナウイルスの影響によるリアル店舗の苦戦が後押しし、2020年4月から爆発的にBASEによるネットショップ開設の動きがでている。BASEの業績はどうなっているのか?
■基本情報(2020年11月13日時点)
- 株価:12,340円
- 時価総額:2,672億円
- 予想PER:-(予想営業利益は0~5億円、5億円の場合は約620倍)
- PBR:72.9倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:27.4%
- 会計基準:日本基準
■成長性抜群のBASEの業績!
BASEの2020年12月期第三四半期の売上高は60億円(前年同期比+119.6%)、営業利益11.5億円(前年同期は△2.8億円の赤字)と大幅な増収で営業利益は黒字に転換した。BASEは2020年1月~3月までは売上高の大幅な増加はなかったものの、外出自粛要請がはじまった2020年4月よりBASE上でのネットショップの出店が急増した。
BASEでネットショップを展開するのは基本的に無料だ。BASE自体はネットショップで購入するときに決済手数料として「6.6%+40円」(サービス利用料3.0%含む)を徴収して売上高を計上している。つまり、BASEを利用するネットショップが増えて、その取引高が大きくなればなるほどBASEの売上高が上昇していくビジネスモデルだ。BASEの用意している決済手段としては、クレジットカード、大手通信会社のキャリア決済、銀行振込、コンビニ決済、PayPalなど用意されている。
■累計ショップ開設数は120万ショップを突破!
BASEでこれまで開設されたショップ数は120万ショップを超えている。ただし、120万ショップは累計のショップ数であって、2020年9月に実際に売上計上がたっているショップは約5万ショップ。1ショップあたり月間の平均売上高は16.7万円と公表されている。2020年2QにはBASEの総取引高は100億円をこえていたものの、2020年3Qになると84億円までさがっている。四半期ベースで見ると、BASEの勢いがかなり弱まっていることに注意が必要だ。
■BASEのライバル企業は?
BASEのライバルとなる企業は、アマゾン、ZOZO、楽天市場、ヤフーショッピングなどの大手ECサイトだけではない。同じようなネットショップ作成サービスを展開しているのは、STORES.jpを展開するストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社やカラーミーショップを展開するGMOペパボ、ショップサーブを展開するEストアーなどがある。BASEとSTORES.jpは無料で、カラーミーショップとショップサーブは有料だ。このほかにもワードプレス(WordPress)という無料のソフトを使用したネットショップの開設も可能だ。
ただし、BASEやSTORES.jpはあくまで個人事業主や副業としてネットショップの展開に使用されている。ショップ運営人数の55.6%は1名で運営しており、法人ではなく個人(個人事業主含む)として運営している。最近ではインスタグラムなどで商品をおススメし、その販売ツールとしてBASEのネットショップが使用されている。本格的にネットショップをビジネス展開するには、楽天市場に出店したり、カラーミーショップやショップサーブなどの有料版を使用しないと商品管理などむずかしいのが現実だ。
■BASEと競合他社の株価は?
BASE(売上高80億円、営業利益5億円)は成長しているものの、時価総額は2,500億円を超える規模まで上昇している。ライバル企業であるGMOペパボの時価総額は約300億円(売上高100億円、営業利益9億円)、Eストアーの時価総額は約80億円(売上高96億円、営業利益4億円)。
各社の株価と売上規模・営業利益、成長率をみると、BASEの株価のバブル感がすさまじい。コロナショックで株価が下落してから、東証マザーズのグロース銘柄の株価は急騰し、予想PERやPBRなどで説明できないレベルまで株価は上昇している。どこまで上昇するか見えないものの、いつか、どこかのタイミングで株価は急落するはずだ。時価総額80億円のEストアーも前年同期比+111%と高い成長をしているものの上場している株式市場がジャスダックというのは残念だった。
■今後のBASEの株価推移は?
BASEの株価推移を見ると、最高値から20%ほど下落しているものの、いまだ時価総額2,500億円を超える株価を維持している。2020年2Qと3Qでネットショップで売上計上しているショップ数が減少し、四半期ベースで減収(売上高減)となっていることに注意が必要だ。グロース銘柄の調整が入った場合、現在の株価から半値以下になる可能性を忘れずにウォッチすることが必要だ。現在はあくまでデジタル銘柄をはじめとしたバブル相場であることを忘れてはならない。
以 上