バイオマス発電のエフオン(9514)、日本の森林を守る会社!

 木質材料をつかったバイオマス発電(生物をつかった発電)を展開しているエフオン。化石燃料による発電から再生可能エネルギーによる発電の割合を少しずつ高めていく中、エフオンは森林を守りながらバイオマス発電所の燃料の調達をおこなっている企業だ。現在、木材の利用の約3割は発電用燃料に使用されている(残り7割は建材などに使用されている)。石油などの化石燃料と異なり、木材は資源の再生が可能だ。エフオンの株価は利益面をとっても評価されていない。今後の株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年10月2日時点)

  • 株価:628円
  • 時価総額:136億円
  • 予想PER:6.7倍
  • PBR:0.88倍
  • 予想配当利回り:1.27%
  • 自己資本比率:38.7%
  • 会計基準:日本基準

■森林を活用したバイオマス発電!

 エフオンの基本的な事業内容や業績については、「木質バイオマス発電のエフオン(EF-ON)、隠れた安定成長と高収益企業!」にて記載済みだ。日本の森林の半分以上は人口林によって支えられている。日本は国土の7割が森林であることを忘れてはならない。エフオンは木質バイオマス発電を通して、日本の森林事業に間接的にかかわっている。たとえば、エフオンは発電燃料として木質を調達し、電力需要者と林業との経済的な流れ(雇用など)を創出している。

■エフオンのバイオマス発電所

 エフオンのバイオマス発電所は現在4つ稼働している。これらの発電所は、福島県、栃木県、大分県に点在している。これら4つの発電所の規模はほぼ同等で、稼働率は90%を超えて安定操業している。エフオンの事業で心配されるのは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度であるFIT制度の行方と天災(地震などの災害)だ。バイオマス発電所を1つ作るのに、投資資金として約100億円かかるため、災害で発電所が深刻な被害をうけたときには企業にとってダメージは大きい。

■エフオンの燃料別の売電価格

 エフオンのバイオマス発電には木材が使用されていて、未使用木材、一般木材、リサイクル材などに分かれている。それぞれFIT価格が異なり、未使用木材は32円/kWh、一般材は24円/kWhなどになっている。さらに電力を固定価格で購入してくれる大手電力会社からは売電プレミアム単価が乗せられるケースがあるが、電力の市況価格下落の影響で売電プレミアム単価の削減が行われるケースがでている。このプレミアム単価の削減により、エフオンの業績にマイナス影響が少なからず出ているのが現状だ。

■エフオンの中期計画!

 エフオンは2022年6月期に売上高145~155億円、営業利益25~34億円を計画している。2021年6月よりも売上高が5~10億円ほど増加する計画であるものの、営業利益が減少する計画であるのは違和感が残る。しかしながら、エフオンは高い収益性を維持しながら成長をつづけており、今後も期待できる企業のひとつ。この業績を出しながら、時価総額は約130億円と株式市場での評価は低い。市場の注目が高まってきたときには、株価は上昇しているケースがあるため、いまから注目しておくのがよいだろう。

以 上

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