社宅マネージメントなどのサンネクスタグループ、プライム市場基準は未達!

 社宅マネージメントサービスの日本社宅サービス、クラシテ不動産、全日総管理などの社宅やマンション管理などのサービスを行っているサンネクスタグループ。1998年10月に前身となる日本社宅サービスを設立。2005年に東証マザーズ上場。2020年7月にサンネクスタグループに商号変更。あまり目立たない企業であるものの、着実に業績を向上させている優良企業。サンネクスタグループの株価の行方は?

■基本情報(2021年9月22日時点)

  • 株価:1,000円(10年来高値:1,272円)
  • 時価総額:112億円
  • 予想PER:16.9倍
  • PBR:1.13倍
  • 予想配当利回り:3.4%
  • 自己資本比率:67.7%
  • 会計基準:日本基準

■サンネクスタグループの業績は?

 サンネクスタグループの2021年6月期の売上高は85.2億円(前年比△1.2%減)、営業利益8.4億円(前年比△2.3%減)の減収減益となった。サンネクスタグループの売上総利益率は+25.1%(前年は+23.5%)、営業利益率は+9.8%(前年は+9.9%)。サンネクスタグループの業績推移を見ると、確実に売上高と利益率は改善しているものの、成長スピードがかなりゆっくりしている。

 2011年6月期の売上高は59.1億円、2015年6月期の売上高は66.2億円、2019年6月期の売上高は84.4億円、2021年6月期は85.1億円と成長速度がかなりゆっくり。サンネクスタグループの営業利益は6億円前後からようやく最近8億円前後まで改善した。

 サンネクスタグループの株価が急騰していかない要因は、成長性の勢いがないことに尽きる。経営陣は安定成長を目指しているのか、確実に利益を出す点はすばらしいものの、なかなか投資したいと思える業績推移ではない。

■サンネクスタグループの事業内容は?

 サンネクスタグループは日本社宅サービスという中核企業を中心に社宅サービス、マンション管理などを中心にビジネスをおこなっている。日本社宅サービスは社宅制度のコンサルティングサービスから社有施設の運営代行、安否確認サービス、見守りセキュリティなど総合的なサービスをおこなっている。社宅マネージメント事業は売上高41.6億円、営業利益14.2億円とサンネクスタグループの業績を支えている中核事業だ。

 もう一つは、マンションマネージメント事業。マンションの管理組合向けにマンション管理、修繕工事サービスなどを行っている。なお、マンション管理業界で総合41位という悩ましいポジションに位置している(独立系では第8位)。マンションマネージメント事業の売上高は39.6億円、営業利益1.8億円と利益率は低い。

■意外にも資産リッチな会社!

 サンネクスタグループの自己資本比率は70%近い。財務は健全だ。B/Sを見ると、現預金41億円、投資有価証券50億円と時価総額約110億円に近い金融資産を保有している。配当利回りも3%を超えている。

 これだけ金融資産を持っているにも関わらず、M&Aなど積極的な動きは少ない。なお、配当性向は約60%近く、株主還元はけっこう積極的に行っている印象だ。10年連続増配を続けている。

■サンネクスタグループの中期経営計画は?

 サンネクスタグループは「NEXT STANDARD 2025」という中期経営計画を立案している。細かい点を除いて、2025年6月期に売上高140億円、営業利益21億円、営業利益率+15%を目指すというもの。いまの成長率ではかなり難しい。なお、1年目の2021年6月期から売上高と営業利益ともに未達となった。

■サンネクスタグループの株価推移は?

 サンネクスタグループの株価は割高ではない。問題は成長性だ。1株あたり200円くらいで4年ほど低迷し、そこからアベノミクス相場で株価は4~5倍くらいまで上昇している。大きく上昇しているように見えるものの、時価総額はまだ110億円前後でしかない。

 サンネクスタグループは新しく創設される「プライム市場」の基準を満たしていない。そのため、何らかの施策(増配、自社株買いなど)を行う可能性は少なくない。現預金を約40億円もっており、数億円の自社株買いと増配を同時に行う可能性もありえるだろう。

 サンネクスタグループでいまいち理解できないのは「ストックビジネスのため、業績は安定して推移」と記載しているものの、社宅サービスについては、どのような収益モデルか理解できていない。サービスを見るかぎり、コンサルティングサービスのような単発契約のものも少なくないのではないだろうか。もう少し決算説明資料などで説明がほしいところ。

 サンネクスタグループが前年比+10%を超える成長を示すことができれば、時価総額は200~300億円はすぐにいきそうだ。現預金をたっぷり持っているので、M&AなどでITサービスの関連事業を購入するのが株価上昇の近道ではないだろうか。

(画像1)サンネクスタグループの株価推移

以 上

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