資産アドバイザーのブロードマインド、無店舗型の保険ショップ!?

 20代~40代の若いファミリー層を中心に生命保険、損害保険、住宅ローンなどの仲介を行う資産アドバイザー(IFA)のブロードマインド。保険の相談や住宅ローンの相談などライフプランに合わせたお金の話をワンストップで提供できるのがブロードマインドの売り。ブロードマインドは無店舗型のため、テレマーケティングや見込客リストを購入したりして集客をしている営業集団でもある。ブロードマインドの業績と株価の行方は?

■基本情報(2021年9月21日時点)

  • 株価:865円(10年来高値:1,677円)
  • 時価総額:46億円
  • 予想PER:17.1倍
  • PBR:1.55倍
  • 予想配当利回り:1.38%
  • 自己資本比率:76.4%
  • 会計基準:日本基準

■ブロードマインドの業績は?

 ブロードマインドの2022年3月期の第一四半期の売上高は8.2億円(前年同期比△1.6%減)、営業利益1.0億円(前年同期比△33.0%減)の減収減益となった。ブロードマインドの売上総利益率は+99.8%(前年同期も+99.8%)、営業利益率は+12.4%(前年同期は+18.2%)と売上総利益減と販管費増により営業利益率が悪化している。

 ブロードマインドはほぼ営業・コンサルティングの企業であり、販売しているのは金融商品の仲介。生命保険はボーナス手数料や継続手数料などがあるものの、とにかく金融商品の仲介を増やさなくてはならない。これまで大手生保は自社でセールスレディを抱えて自社製品を販売していたものの、ブロードマインドはいろいろな保険会社の商品を扱っているため、無店舗型の保険ショップのようなポジションとなる。

■ブロードマインドのビジネスモデルは?

 ブロードマインドは無店舗型の保険ショップと考えるとわかりやすい。上場時の2021年1月末の従業員数は305名だったものの、今回の2021年6月末には従業員数247名と約60名の減少。実績を出せないと厳しい世界であることがわかる。

 ブロードマインドは世帯年収300万円~2,000万円のファミリー層(20代~40代)をターゲットにしている。集客はテレマーケティングや自社セミナー、既存顧客からの紹介、見込客リストの購入などだ。商品販売を仲介するのは生命保険、住宅ローン、投資信託などの金融商品。そのなかでも生命保険が売上高の84%を占めている。

 生命保険は初年度手数料、ボーナス手数料、継続手数料と大きく3つの手数料に分かれており、安定した収益がつづくサブスクリプション型のように見えるものの、初年度手数料の割合が大きい。いかに生命保険を売るかがブロードマインドの四半期決算に直結する。

■ブロードマインドの営業パーソンは?

 ブロードマインドは新卒学生の採用に力をいれている。一般的に生命保険の外交員(営業員)は中途採用が多いものの、ブロードマインドの営業部門の6割は新卒を採用している。

 ブロードマインドはある生命保険会社の保険だけを売るのではなく、さまざまな会社の保険を売るため営業員(コンサルタント)の習得すべき商品知識は幅広い必要がある。ブロードマインドでは新卒入社後の3年目から累計で黒字になる教育システムを構築している。そのため、上場時より60名ほど従業員が減少しているのが気になるところだ。

■ブロードマインドの行方は?

 店舗型の保険ショップとしては、アドバンスクリエイトの「保険市場」やアイリックコーポレーションの「保険クリニック」、光通信グループのNFCホールディングスの「保険見直し本舗」などが有名であるが、無店舗型のブロードマインドのビジネスモデルは面白いかもしれない。

「保険クリニック」のアイリックコーポレーション、業績挽回に向かうか?(2021年9月12日投稿)

 店舗型は将来不安や保険の妥当性に疑問を持つ人が相談にくるため、コンサルタントも相談に乗りやすく、営業のような雰囲気になりにくい強みがある。いっぽうで、店舗を構えるため固定費の負担が大きい。ブロードマインドはその弱み(店舗の固定費)を打破できる実績を上げることができるだろうか。

光通信が筆頭株主のNFCホールディングス(7169)、保険ショップ展開!(2020年5月28日投稿)

「保険市場」のアドバンスクリエイト(8798)、安定した成長!(2020年5月24日投稿)

■ブロードマインドの株価の行方は?

 ブロードマインドの時価総額は約46億円。決算説明資料を読むと、「第4四半期に国内不動産(収益不動産)の販売を計画している」とあり、余裕資金で不動産投資をしている点が気になる。東証マザーズに上場して現預金は20億円ほど保有しており、実質無借金の状態。本来であれば本業に集中投資すべきところと突っ込みたくなる。

 株価は上場来安値圏にあり、どこかで上昇に転じると思うが、いまのビジネスモデルを見るかぎり、他社製品を販売する小売企業のような位置づけで、もう少し投資したくなるアピールポイントがほしいところ。

(画像1)ブロードマインドの株価推移

以 上

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