「Omiai」のネットマーケティング、信頼回復なるか?業績は堅調!

 マッチングアプリ「Omiai」を運営しているネットマーケティング。2021年5月に不正アクセスにより会員情報の一部が流出。企業自身で会員情報を保管していたことが情報流出の失敗につながった。不正アクセス公開後は新規会員の流入が鈍化したものの、現在は月間10万人前後の新規登録がつづいている(ただし、退会数は公表されていない)。

マッチングアプリ「Omiai」のネットマーケティング、会員情報流出でピンチに!(2021年5月23日投稿)

恋愛マッチングアプリ「Omiai」のネットマーケティング(6175)、今後の成長は?(2020年6月6日投稿)

■基本情報(2022年7月8日時点)

  • 558円(10年来高値:1,145円)
  • 時価総額:84億円
  • 予想PER:22.3倍
  • PBR:2.59倍
  • 予想配当利回り:1.07%
  • 自己資本比率:55.8%
  • 会計基準:日本基準

■ネットマーケティングの業績は?

 ネットマーケティングの2022年6月期の第三四半期の売上高は38.9億円、営業利益3.8億円(前年同期は3.4億円)。「収益認識に関する会計基準」の適用により、売上高は前年の102億円→38.9億円に大幅減となっているものの、従来ベースで表示すると110億円と前年同期比+7.4%増となる。

 ネットマーケティングの売上総利益率は(従来ベースで)+26.9%(前年同期は+32.8%)、営業利益率は+3.5%(前年同期は+3.3%)。売上総利益は粗利率の悪化で減少(33.6億円→29.5億円)と悪化しているものの、販管費を30.2億円→25.7億円と△4.5億円削減しており、コスト削減のため業績改善となった。

■「Omiai」の状況は?

 ネットマーケティングの主力事業はマッチングアプリの「Omiai」。ビジネスモデルは男性有料会員から月額4,800円(税込)を徴収するもの。女性ユーザは無料だ。公表されている有料会員数は7.0万人のため、月額3.4億円の課金となり、9カ月で30.2億円となり、公表されている28.7億円(メディア事業の売上高)とほぼ一致する。

 「Omiai」の女性ユーザ数の数はわからないものの、男性有料ユーザの7.0万人前後はいると思われる。不正アクセスで男性有料会員は減少傾向になっていたものの、ようやく改善傾向となってきた。2022年2Qの6.8万人→7.0万人と増加している。

■ネットマーケティングの財務状況は?

 ネットマーケティングの財務状況は健全だ。2022年3月末時点で現預金を40億円保有しており、有利子負債はゼロ。マッチングアプリは競争の激しい業界であるものの、市場全体が伸びている成長市場であることは間違いない。コロナ禍でマッチングアプリに出会いを求める人が増えており、「Omiai」にとってはプラスの市場環境とも言えるだろう。

 リアルイベントである街コンなどは自粛傾向であるものの、個人間で出会うマッチングアプリなどの婚活・恋活アプリの需要は高い。

■ネットマーケティングの株価は?

 ネットマーケティングの時価総額は約84億円。割高でも割安でもない株価となっている。知名度の高い「Omiai」を持っており、ネット広告ビジネスも順調だ。月額課金で年間約36億円ほど収入があるビジネスモデルであるため、「Omiai」自体の事業価値も高いだろう。ただ、成長性はほとんどなくなっているので、ブランド価値をさらに高めることができるか今後の進捗を見極める必要がありそうだ。

(画像1)ネットマーケティングの株価推移

以 上

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