スポーツに関連した人財紹介事業のスポーツフィールド、コロナ禍で事業好調!

 体育会系学生のための就職活動の支援やイベント開催を中心に事業をしているスポーツフィールド。2010年1月設立、従業員数266名。主に就職活動でスポナビ(体育会系)、スポチャレ(サークルなどまで含む)というサイトを通じて、企業と人財のマッチング(仲介)をすることで企業から広告や紹介料を稼ぐビジネスモデルをおこなっている。

■基本情報(2022年7月22日時点)

  • 株価:1,608円(10年来高値:4,395円)
  • 時価総額:29億円
  • 予想PER:11.3倍
  • PBR:5.61倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:30.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:624人(2021年12月末時点)

■スポーツフィールドの業績は?

 スポーツフィールドの2022年12月期の第一四半期の売上高は7.7億円(前年同期比+39.1%増)、営業利益2.3億円(前年同期比+890%増)の増収増益。スポーツフィールドの売上総利益率は+93.3%(前年同期は+90.1%)、営業利益率は+30.1%(前年同期は+4.2%)となった。

 スポーツフィールドは就職活動支援という事業の特性上、第一四半期に利益が集中し、第四四半期は営業損失(赤字)になる利益構造となっている。売上高は過去最高を更新し、事業は好調だ。

■スポーツフィールドの事業内容は?

 スポーツフィールドはスポナビやスポチャレというサイトを運営して、就職活動する学生を支援している。スポナビは体育会系学生向けで、スポチャレはサークルまで含めた幅広い層(学外スポーツチーム、サークル・同好会、過去経験者等)を対象としている。スポナビの登録者数は約2.2万人、スポチャレは1.3千人規模だ。

 また、既卒者向けとしてスポナビキャリア、スポチャレ転職などあり、ここまでくると一概にスポーツ人材とは言えない人まで対象となっている。やはり、スポーツ人材・体育会人財に絞ると、規模がかぎられるため、事業拡大に限界がでているのが現状だ。

■スポーツフィールドの利益モデルは?

 スポーツフィールドはどのように稼いでいるのか?新卒・既卒に対して、就職活動イベントを開催してイベント出展料を求人企業からもらっている。また、人材紹介事業として、採用コンサルティング料(成果報酬)や人材紹介料(成果報酬)として求人企業からお金をもらう流れだ。

 リクルートやマイナビなどの小さいバージョンと考えるとよいだろう。売上比率をみると、新卒イベントが全体の39.7%、新卒人財紹介が32.1%、既卒人財紹介が24.1%となっている。

■自己資本比率が引くスポーツフィールド

 スポーツフィールドの自己資本比率は30.2%と低い。スポーツフィールドの2022年3月末の現預金は10.1億円、有利子負債は約7億円となっており、ネットで+3億円となっている。設備投資が不要なビジネスモデルであるものの、これまでは低収益でそれほどキャッシュが積み上がってこなかったと思われる。

 2022年12月期の業績予想は売上高24億円、営業利益61百万円だったものの、2022年7月20日に業績予想(修正)を実施し、売上高26.5億円、営業利益4億円と大幅な増加となる見通し。問題なのは、第二四半期~第四四半期で1.7億円の営業利益を本当に稼げるかどうか。

■スポーツフィールドの株価推移は?

 スポーツフィールドの時価総額は29億円。7月20日の業績上方修正を受けて、株価は900円台から1,600円台に+700円も上昇した。たしかに時価総額が20億円弱の企業が年間利益4億円を出すとなると大きなサプライズとなった。

 8月中旬まで決算発表はないため、2,000円を目指す動きになってもおかしくない。ただ、事業モデルとして売上高がこれから2倍~3倍に上昇するかと言われると難しいような気がする。新卒の規模感は大きく増えることはないため、いかにシェアを取っていくかがスポーツフィールドの事業拡大の肝になる。大手はJACリクルートメント、エン・ジャパン、MS-JAPANなど競合も少なくない。

管理部門や士業に特化した人材紹介のMS-Japan(6539)、コロナショックで株価下落の先は?!(2020年10月17日投稿)

外資系企業に強いJACリクルートメント(2124)、2020年下期の業績の行方は?(2020年10月24日投稿)

(画像1)スポーツフィールドの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする