ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を展開するZOZO(ゾゾ)。もともと会社名はスタート・トゥデイとしてスタートし、2018年10月よりZOZOに商号を変更。ZOZOの時価総額は一時、1.2兆円を超える規模まで拡大したものの、現在では6,000億円前後で推移する。アパレル(服)をネットで販売することを先取りし、時代がZOZOに追いついた形で、株価はその流れを先取りした推移となった。今後もZOZOの快進撃はつづくのか?
■基本情報(2020年5月22日時点)
- 株価:2,000円
- 時価総額:6,233億円
- 予想PER:-(未定)
- PBR:17.7倍
- 予想配当利回り:-(2019年度実績は1.5%)
■成長率が鈍化するZOZO、今後の行方は?
2019年度のZOZOの売上高は1,255億円(前年比+6.0%)、営業利益279億円(前年比+8.7%)と引き続き堅調に成長をつづけている。ZOZO全体の商品取扱高は3,450億円のため、ZOZOで販売される商品の約35%前後がZOZOの手数料収入になっている。
ZOZOは受託ショップ(買取をしない)をメインにしており、在庫リスクを取らない。出店ショップとしては、販売員(人件費)、店舗(家賃)、発送費用を負担せずに拡販できるメリットがある。
ZOZOで考えられるビジネスリスクとしては、競合の出現、物流コストの増加、出店ショップの減少などが考えられる。競合としては、Amazon(アマゾン)、楽天、SHOPLIST(ショップリスト)、ロコンドなどのモール型通販サイトなどがある。
さらに、出店ショップ独自でのECサイトの運営も競合となる。但し、ユーザーとしては一つのサイトで色々な商品を見れるモール型通販サイトにメリットを感じる人は多く、今後もモール型通販サイトが主流となるはずだ。
■最大の懸念は新しい競合の出現!
ZOZOの事業で心配されるのは強い競合の出現だ。昔は中古品の個人売買と言えば、ヤフーオークション(ヤフオク)がメインだったものの、メルカリ(Mercari)の出現により一気に状況は変わった。スマートフォンで簡単に売買できるメルカリ方式に、ユーザーの習慣・行動がマッチした成功事例だ。
ZOZOも時代を先取りし、対面店舗よりユーザーを獲得してきた歴史があるものの、(いまだ予想できない)新たな競合がZOZOの顧客を奪う状況がでてくる可能性は十分ある。ECビジネスの動きは早いため、1~2年くらいでベンチャー企業が新しいビジネスの主役になる可能性はあり、その時はZOZOの業績に大きな影響となる。
■ZOZOの株価推移は?
ZOZOの現在の株価は、すでに高い成長を織り込み、今後の成長鈍化を少しずつ織り込んでいる状況だ。時価総額1.2兆円まで上昇し、現在では半値付近まで下落しているなか、再び上昇していくのだろうか。
ZOZOとしても成長鈍化を考慮し、ヤフー(Zホールディングス)との提携など事業基盤の増強、ユーザーの囲い込みに必死の状況。ここから株価が上昇するには新規事業やグローバル展開など新しい取り組みが必要だ。
以 上