クラウドカメラによる課金ビジネスを展開しているセーフィー(safie)。すでに労働需要に対して、労働供給力が不足しており、ますます深刻化することがわかっている。省人化のニーズや時間外労働時間の上限規制(月45時間、年360時間)の法律要請により生産性の向上は必須。セーフィーの活躍する場はますます増えてくる。
2026年度からの黒字化を目指すセーフィー、今後の事業戦略と株価は?(2024年11月24日投稿)
■基本情報(2025年2月21日時点)
- 株価:825円(10年来高値:4,000円)
- 時価総額:457億円
- 予想PER:赤字
- PBR:5.35倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:77.4%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:7,870人(2023年12月31日時点)
- 事業価値:390億円
■セーフィーの業績は?
セーフィーの2024年12月期の売上高は150億円(前年比+27.4%増)、営業利益△5.8億円(前年は△10.9億円の赤字)と増収赤字幅の縮小となった。セーフィーの売上総利益率は+48.7%(前年は+48.0%)と若干改善。
セーフィーの売上総利益は前年の56.7億円→73.4億円と+16.7億円の増加、販管費は前年の67.6億円→79.2億円と+11.6億円の増加となり、差し引きで5.1億円の利益改善となった。売上総利益と販管費の増加をくらべて、売上総利益の伸びが大きかったことが理由だ。
■セーフィーの事業状況は?
セーフィーの事業モデルは課金カメラ台数を増やして、サブスクリプションモデルで課金して稼ぐ事業モデル。普通のカメラメーカーとは異なり、販売して終わりではなく、継続的にサービスを提供していくことがセーフィーの事業モデルだ。リカーリング(サブスクリプション)売上高比率は約7割で、スポットの販売が伸びるとこの比率が下がる。
セーフィーのリカーリングの売上総利益率は60%前後で推移しているものの、カメラ販売の売上総利益率は20%弱で推移している。課金カメラの設置台数は29.3万台となり前年同期比+25.2%増となった。
セーフィーは販売代理店と直販の2つの商流を使っており、販売代理店がだいたい6割、直販が4割という比率。
■2025年度の業績予想は?
セーフィーの2025年12月期の業績予想は、売上高184億円(前年比+22.3%増)、営業利益50~300百万円と黒字化を目指す。現時点のセーフィーにとって黒字であることは必須ではない。いかにインストールベースでの課金カメラ台数を増やし、粗利を増やすことができるかがキーとなる。
■セーフィーの株価推移は?
セーフィーの時価総額は約450億円。現預金を約70億円ほど保有しているので、それを控除すると380億円ほど。将来的には売上高200億円、営業利益40億円、税後利益25億円くらいと想定すると、予想PER20~30倍で時価総額は500~750億円と想定。将来的には生成AIが文字情報よりも視覚情報を必要となったときに、カメラサービス事業のセーフィーは非常に重要なポジションになるのではないだろうか。
上場来最高値の4,000円であると時価総額は2,000億円ほど。そこまでに水準に株価が回復するのは5~7年くらいは必要だろうか。すでに多くの高値掴みした個人投資家は損切りをしていることだろう。

以 上