コロナ後の業績回復!結婚相談のIBJが業績の伸びを見せる!

 結婚相談所、婚活パーティー、婚活アプリ、そして結婚相談所プラットフォーム事業などを展開しているIBJ。グループサービスとして、ZWEI、サンマリエなども展開している結婚相談の最大手。結婚相談所プラットフォームが強く、加盟店との連携により業界でもっとも存在力がある企業。コロナ禍で苦戦したものの、今後の業績や株価はどうなるのか?

婚活サイトやマッチングパーティ展開のIBJ(6071)、株価の行方は?(2020年6月6日投稿)

■基本情報(2024年2月9日時点)

  • 株価:680円(10年来高値1,379円)
  • 時価総額:286億円
  • 予想PER:17.6倍
  • PBR:3.49倍
  • 予想配当利回り:0.88%
  • 自己資本比率:41.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:4,502人(2022年12月31日時点)

■IBJの業績は?

 IBJの2023年12月期の売上高は176億円(前年比+19.9%増)、営業利益22.3億円(前年比+11.9%増)の増収増益。IBJの売上総利益率は+85.5%(前年は+96.3%)、営業利益率は+12.6%(前年は+13.5%)と悪化している。今回は売上高の内数にリートの売却(17.5億円)があり、そのほとんどが原価であり、結果として売上総利益が悪化しているように見える(売上高が嵩上げされている)。実態としては売上総利益率は+13.4%となっており、前年並みである。

 IBJの売上総利益は前年の142億円→151億円と+9億円の増加、販管費は前年の122億円→128億円と+6億円となり、差し引きで+3億円の利益改善となっている。

■IBJの事業状況は?

 IBJは大きく4つの事業を行っている。1つは加盟店事業で売上高は約29億円、利益率は61.4%、2つ目は直営店事業で売上高は約84億円、利益率は22.1%、3つ目はマッチング事業で売上高は約18億円、利益率は18.2%、4つ目はライフデザイン事業で売上高は27億円、利益率13.3%。

 IBJの加盟店を含むKPIは順調だ。新規入会数は5.1万人(前年は4.9万人)、お見合い件数は76.4万件(前年は70万件)、加盟店数は4,125社(前年は3,530社)。そして、結婚退会を示す成婚数は12,527件(前年は11,921件)で、2024年12月期は15,136件を目指す。いま、結婚相談所の利用者数が増えており、成婚数も過去最高に更新することを見込んでいる。

 なお、IBJが目指す成婚数2.0万件は日本の年間婚姻組数の4%を占める。言い換えると、まだまだ成長の余地があると言えるだろう。

■IBJの特徴は?

 IBJは地方銀行と提携している。地方銀行から独身者を紹介してもらう仕組みだ。また、名古屋銀行、三十三銀行、大垣共立銀行などはグループ会社が結婚相談所を運営している。

 IBJの加盟店事業では開業支援を行っている。2022年度で614名が結婚相談所をスタートしている。開業資金は個人は160万円、法人は320万円とそれほど高くない。IBJの加盟店事業は利益率が高いのが特徴だ。

■結婚相談所事業の仕組みは?

 IBJは直営店事業(IBJメンバーズ、ZWEI、サンマリエ)では、初期費用で9.4~36.4万円を会員から徴収し、月会費は1.4~1.6万円を徴収、成婚料は20万円となっている。加盟店の事業者は、初期費用10万円、月会費1万円、成婚料20万円となっている。

 IBJは加盟店含めて、大きな組織を形成しており、結婚を目指す大きな母集団を形成している。加盟店事業に関わる人は自社のビジネスとして必死に集客するため、IBJとしては自社以外で営業部門をもっていることになり、非常に強固なビジネスモデルであることがわかるだろう。婚活業界での成婚数シェアは16.8%と業界トップ。

■IBJの財務状況は?

 IBJの2023年12月31日時点の財務諸表をみると、現預金は37.9億円、営業投資有価証券は16.3億円、預け金10.3億円、有形固定資産は30億円(土地:15億円)、のれん15.3億円、ソフトウェア10.7億円、投資有価証券は19.6億円、差入保証金12.6億円と多岐にわたる。負債は、有利子負債が約57億円、未払法人税6億円となっている。自社株を18億円もっており、純資産は80億円で財務的には健全だ。

■IBJの株価推移は?

 IBJの時価総額は約286億円。IBJはコロナ禍で業績が悪化しても黒字を維持しており、ビジネスモデルが非常に強いことがわかる。たとえ、不況になっても赤字になることはないのではないだろうか。圧倒的に強いネットワークを築いており、いまのところ、IBJのビジネスモデルを脅かす存在はいない。

 2023年12月期の営業CFは+35億円とキャッシュ創出力が高い。その生み出したキャッシュを、土地、ソフトウェア、投資有価証券とバランスよく展開している。財務的には積極的に借入をつかって、高い利益の創出を心がけている企業。

 2024年12月期の売上高は182億円、営業利益は23億円、営業利益率は+12.8%。1株あたりの当期純利益(EPS)は42.02円。予想PERを20~25倍で考えると、理論株価は840円~1,050円(現在の株価は680円)。IBJは配当性向が15%前後と低いため、配当性向を高めることで株価は一気に高くなるのではないだろうか。

(画像1)IBJの株価推移

以 上

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