コロナ前を超える成長のカーブスホールディングス、前年比2ケタ成長!

 「女性だけの30分フィットネス」で50代以上の女性をターゲットにフィットネスクラブを展開しているカーブス。スポーツジムの事業形態をとりつつ、実態は会員向けの物販(主にプロテインの販売)で稼ぐ事業モデルのカーブス。店舗数は約2,000店舗まで拡大しており、ビジネスモデルは盤石か。今後の業績と株価の行方は?

プロテイン販売が支えるカーブスの業績、コロナ禍の戦略は?(2022年2月5日投稿)

「女性だけの30分フィットネス」展開のカーブス!プロテイン販売で経営を支える(2021年4月29日投稿)

■基本情報(2024年7月12日時点)

  • 株価:781円(10年来高値:1,072円)
  • 時価総額:733億円
  • 予想PER:23.8倍
  • PBR:4.06倍
  • 予想配当利回り:1.53%
  • 自己資本比率:45.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:42,944人(2023年8月31日時点)
  • 事業価値:762億円

■カーブスの業績は?

 カーブスの2024年8月期の第三四半期の売上高は265億円(前年比+19.5%増)、営業利益44.5億円(前年比+43.9%増)の増収増益。カーブスの売上総利益率は+42.3%(前年は+42.8%)、営業利益率は+16.8%(前年は+13.9%)。

 カーブスの売上総利益は前年の95億円→112億円と+17億円の増加、販管費は前年の64億円→68億円と+4億円の増加となり、営業利益は+13億円の改善となった。

 カーブスの売上高内訳をみると、全体の約62.7%は会員向けの物販でプロテインなどを主に販売している。フランチャイズチェーンを活用して、物販で儲けるビジネスモデルを構築している。ロイヤリティ収入は19.6%、直営事業は8.4%の比率。

■カーブスの事業状況は?

 カーブスは会員向けの物販販売で儲けるビジネスモデルで、カーブスがフランチャイズチェーンの会員ふくめてプロテインなどを直販する事業モデル。フランチャイズチェーンは販売手数料を受け取る仕組みだ。

 カーブスでは50歳~64歳をヤング層と位置づけ、シニア層は65歳以上としている。事業のターゲットを50歳以上の女性と置いているのが特徴だ。カーブスの店舗数は1,974店舗でコロナ後に減少したものの、ここ数年は回復傾向(コロナ前に2,020店舗が過去最高)。会員数は約80万名であるものの、コロナ前の83万人はまだ回復していない。

 しかしながら、売上高はコロナ前を超えている。その事業成長を支えているのが会員向けの物販販売だ。この物販販売のほとんどは定期購入型の商品になっている。具体的にはウルトラプロテイン(月5,000円)、ヘルシービューティ(月5,000円)などの健康食品がメイン。

■メンズ・カーブスは?

 2024年5月末時点、メンズ・カーブスは17店舗で営業中。現在の出店スピードをみると、それほど順調ではない様子。ライザップグループの「チョコザップ」の登場で、なかなか市場を切り開けないと思われる。

 また、海外では欧州のスペイン、イタリア、英国を中心に8ヵ国で136店舗展開しているものの、売上高は約3.8億円で△2.2億円の赤字となっている。

■カーブスの財務状況は?

 カーブスの2024年5月末の財務諸表をみると、現預金は66億円、商品17億円、無形資産232億円となっている。負債をみると、有利子負債は95億円、預り金24億円、繰延税金負債が42億円計上されており、商標権を約200億円計上したことに伴う、会計と税務との差異である。

■カーブスの株価推移は?

 カーブスの時価総額は約730億円。株価指標的に割高感はないものの、割安感もない。カーブスはリカーリングビジネスとしてプロテインなどの会員向けの販売が安定しており、これが収益源になっている。また、カーブスはシニア向けのビジネスであり、成長市場に位置することが特徴だ。

 「チョコザップ」の登場で競争環境は大きく変わってきている。今後も本当に成長できるか事業の見極めが必要だ。

以 上

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