独立系FintechコンサルのAtlas Technologies(アトラステクノロジーズ)、苦戦つづく!

 独立系のFinTechコンサルティング企業として戦略から実行まで支援するAtlas Technologies(以下、アトラステクノロジーズ)。2023年10月18日に通期業績予想を大幅に下方修正し、株価は大きく下落。上場から約1年で株価は高値から5分の1以下まで下落している。今後の同社の成長と株価の行方はどうなるのか?

FinTech(フィンテック)のコンサルティングサービス、Atlas Technologies(アトラステクノロジーズ)(2023年8月16日投稿)

■基本情報(2023年12月1日時点)

  • 株価:470円(10年来高値:2,663円)
  • 時価総額:33億円
  • 予想PER:42.3倍
  • PBR:1.32倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:88.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,211人(2022年12月31日時点)

■アトラステクノロジーズの業績は?

 2023年12月期の第三四半期の売上高は20.7億円、営業利益1.8億円。アトラステクノロジーズの売上総利益率は+30.2%、営業利益率は+8.4%。コンサルティング企業としては粗利率が低い。

 アトラステクノロジーズの売上総利益は6.3億円、販管費は4.5億円で差し引き営業利益は+1.8億円となっている。

■アトラステクノロジーズの事業状況は?

 アトラステクノロジーズはNTTドコモにかなり依存した事業状況になっている。全体の73.5%はNTTドコモ関連の売上高。しかしながら、NTTドコモの資本が入っているわけではないので、もしNTTドコモとのビジネスが先細っていくと事業規模が大きく下がるリスクを抱えている。

 アトラステクノロジーズの顧客数はたった13社しかなく、ほとんどをNTTドコモに依存。現状の売上規模の苦戦はNTTドコモのプロジェクト開始延期や消失がマイナス要因になっている。1社に大きく依存しており、グループ会社ではないのは同社の最大のリスク。

 また、ここまで依存すると利益率を大きく上げることも難しいだろう。NTTドコモとしては、自社よりもコストの低い外注業者という位置づけではないだろうか。直近の2023年12月期の第三四半期の売上総利益率は+26.4%(前年同期は+33.5%)と落ち込んでいる。前四半期は+30.2%と利益率悪化が目立つ。

■アトラステクノロジーズの財務状況は?

 アトラステクノロジーズは2022年10月26日に東証グロース市場に上場。上場により約15億円を調達している。上場時の公開価格は株価1,440円(現在は470円)、初値2,320円で時価総額は約165億円(現在は33億円)。Fintech銘柄として高い株価で上場したものの、株価は大きく下落していて含み損を抱えている投資家は多い。

 アトラステクノロジーズの2023年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は18.1億円、のれん5.4億円。負債は、有利子負債はゼロ。利益剰余金は11.7億円、資本の部は25億円と財務的には健全だ。

■アトラステクノロジーズの株価推移は?

 アトラステクノロジーズの時価総額は約33億円。上場時はFintech銘柄の高収益企業として認知されたものの、実態はNTTドコモに依存した協力パートナーという位置づけ。NTTドコモに買収される期待感は残るものの、自社技術での成長はいまのところ見えない。

(画像1)アトラステクノロジーズの株価推移

以 上

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