EC事業支援サービスのHamee(3134)、堅調な業績の行方は?じつは物販メイン!

 クラウド型のEC事業支援サービスを展開しているHamee。業績は絶好調だ。2020年4月期の売上高は113億円(前年比+9.9%)、営業利益は17.4億円(前年比+50%)と大幅増益で着地。2015年4月に株式上場してから、売上高は倍近くまで増え、営業利益は上場から5倍を超える増加となった。ただし、Hameeの業績はよいものの、いまいち株価は評価されていない。その理由は?

■基本情報(2020年6月12日時点)

  • 株価:1,577円
  • 時価総額:254億円
  • 予想PER:25.4倍
  • PBR:5.16倍
  • 予想配当利回り:0.41%

■Eコマースを軸として事業展開のHamee!

 Hameeの事業内容をくわしく知っている人はそれほどいないだろう。Hameeはコマース事業とプラットフォーム事業の2つを柱に事業をおこなっている。コマース事業は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルアクセサリーグッズ(iFace等)を楽天市場、PayPayモール、Yahoo!ショッピング、Amazon(アマゾン)などで販売している。

 プラットフォーム事業は、「ネクストエンジン」というクラウド型のEC事業の支援サービスを提供している。「ネクストエンジン」は、自社ネットショップ、楽天、Amazon(アマゾン)など複数のEC店舗を一元管理できるサービスだ。

 Hameeの売上高は、コマース事業が約8割、プラットフォーム事業が約2割という構成だ。営業利益もほぼ同じ構成だ。HameeのイメージはEC支援サービスを展開しているIT企業というイメージが強かったが、現在のところはモバイルアクセサリーを主に販売することで稼ぐビジネスモデル。

■Hameeのコマース事業の行方は?

 Hameeのコマース事業は、BtoCネット販売(国内14店舗)、卸販売の2つにわかれる。BtoCネット販売は、楽天、Amazon(アマゾン)、Yahoo!ショッピングなどに出店し、スマホやタブレットのモバイルアクセサリーを販売している。卸販売は、ロフト、東急ハンズ、ドン・キホーテ、ヨドバシカメラなどで販売。

 ネット販売と卸販売の売上高の割合はそれぞれ50%ずつ。2021年4月期の予想ではネット販売のほうが増えてくる見通しだ。いまHameeが力をいれているのは、iFaceという自社ブランド。プロモーションにも力を入れ、ブランドとして認知度をあげたいところ。

 2019年10月にモバイルアクセサリーの製造事業を買収し、自社で商品企画から販売までできる体制を構築。これからエレコム(ELECOM)のような一般消費者に認知されるブランドを確立できるかどうかが大きな課題だ。

■期待されるHameeのプラットフォーム事業!

 Hameeに期待されるのはプラットフォーム事業の成長だ。複数のネットショップを一元管理し、最適化できる「ネクストエンジン」。「ネクストエンジン」の総契約社数は2020年4月30日時点で3,997社(前年比+375社)。導入店舗数は30,835店舗となった。THE BODY SHOPや三省堂書店、メガネスーパーなど小売大手も導入している。

 新型コロナウイルスの影響で、リアル店舗からネットショップに参入(転換)する小売事業者は増加することを考えると、「ネクストエンジン」の成長を期待したいところ。ただし、心配なところは市場規模をどこまで拡大できるかという点だ。現時点で約4千社が導入していてプラットフォーム事業の売上高は18.5億円という規模。これから爆発的な売上高の増加を期待できるかは、より顧客に満足できるサービス(手数料増)を足していけるかがポイントになる。

■Hameeの株価推移は?

 Hameeの株価は2015年の上場時からは大きく伸びているものの、IT企業という枠組みで考えると、成長スピードほど株価は伸びていない。IT企業という枠組みで考えれば、売上高100億円、営業利益17.4億円で毎年、10%~20%で成長している点で時価総額400~600億円で評価されてもおかしくない。

 Hameeの現在の時価総額は約250億円。株式市場の評価という点では、IT企業というよりは小売企業として評価されている。今後、いかにEC事業サービスの事業を伸ばしていけるかが株価の飛躍の重要なポイントだ。

 以 上

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