ニューモ育毛剤好調のファーマフーズ、9カ月間の広告宣伝費は190億円に!

 育毛剤のニューモが大ヒットしている通信販売会社のファーマフーズ。前年同期で売上高は3倍規模まで急成長している。この成長を支えているのは育毛剤のニューモだ。積極的に広告宣伝費を投入し、定期顧客件数(継続購入数)は79.1万件を突破。そのうち、56.5万件は育毛剤ニューモの定期顧客となっている。ファーマフーズの業績と株価の行方はどうなるのか?

ファーマフーズ業績好調!育毛剤「ニューモ」が牽引、株価も絶好調!(2021年5月4日投稿)

■基本情報(2021年6月4日時点)

  • 株価:2,892円(10年来高値:3,820円)
  • 時価総額:840億円
  • 予想PER:59.8倍
  • PBR:19.46倍
  • 予想配当利回り:0.51%
  • 自己資本比率:34.2%
  • 会計基準:日本基準

■ファーマフーズの業績は?

 ファーマフーズの2021年7月期の第三四半期の売上高は337億円(前年同月比+203.7%増)、営業利益26.3億円(前年同期は△2.6億円の赤字)と大幅な増収黒字転換となった。ファーマフーズの売上総利益率は+85.2%(前年同期は+79.4%)と改善している。

 ファーマフーズの売上総利益額は287億円、そこから販管費261億円を差し引いて、営業利益26億円の黒字となっている。ファーマフーズの販管費の内訳を見ると、広告宣伝費194億円(前年同期は61億円)、支払手数料19.7億円(前年同期は7.4億円)、その他43億円(前年同期は18.9億円)となっている。ニューモ育毛剤の拡販のため、積極的という言葉では表せれないほどの広告宣伝費を投入している。売上高337億円の約58%の194億円の広告宣伝費を投入している計算になる。

■ファーマフーズの広告宣伝費推移は?

 ファーマフーズは2021年7月期の第一四半期で広告宣伝費66.2億円、第二四半期に65.4億円、第三四半期に62.1億円を投入している。定期顧客数(継続購入契約数)は第一四半期に大幅に増加したものの、第二四半期~第三四半期にかけてはそれほど伸びは大きくない。広告宣伝費の投入により新規顧客が入っている一方で、解約件数も多くなっていると思われる。

 ファーマフーズにかぎらず、いわゆるマーケティングに力を入れている通販企業にとって、粗利(売上総利益)の高い製品をいかに高く販売するかが重要なポイント。北の達人コーポレーション、プレミアアンチエイジング、MTG、新日本製薬なども、ファーマフーズと同様に商品企画力・マーケティング力で高い粗利の製品を販売していく戦略だ。ファーマフーズはニューモ育毛剤の大ヒットがいつまで継続するか、さらに伸ばすことができるかが、今後の株価の行方の重要なポイントとなっている。

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■ファーマフーズの株価の行方は?

 ファーマフーズの時価総額は約850億円。売上高が前年同期にくらべて3倍規模になっており、通常の株価指標では株価の妥当性を判断できない。翌年度以降の成長をどう考えるかが大きな論点だ。2021年7月期は売上高、営業利益ともに大きく伸びたものの、ニューモ育毛剤が翌年度も同じ成長をできるか考えた場合、むずかしいと考えざる得ない。ポジティブに考えて、前年比で少し改善。ネガティブに考えると、前年比マイナスになる可能性は起こりえる。

 そもそも、薄毛というコンプレックスビジネスは最初の爆発的なヒットが起こっても、1年経過して効果が現れなければ定期購入を解約してしまう。ニューモ育毛剤はあくまで「育毛剤」であり、「発毛剤」ではない。なお、「ニューモ」はタマゴ由来の卵黄たんぱく加水分解物をつかったHGP(Hair growth peptide)という素材を使っている(HGPはファーマフーズが2017年に商標登録している名称)。

 ニューモ育毛剤の2021年7月の第三四半期までで売上高は約190億円。ニューモ育毛剤の販売単価は4,950円(税込)の前提で考えると、9カ月間の販売本数は380万本。1か月に1本利用したとして、約42万人の利用者を想定できる。ニューモ育毛剤のヒットはいつまで続くのだろうか?

(画像1)ファーマフーズの株価推移

以 上

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