スマホゲームのgumi(3903)、「ファイナルファンタジー」シリーズなど好調!

 「FFBE」シリーズや「タガタメ」などスマートフォンゲーム(モバイルオンラインゲーム)を展開するgumi。長期低迷していた株価も浮上の兆しがでてきた。売上高は200億円前後で足踏み状態であるものの、広告宣伝費の削減により2020年4月期の営業利益は+22.3億円の黒字を確保。営業利益率は+11.2%としっかり利益を出している。スマートフォンゲームは競争激化で利益を出すのが難しくなったと言われているが、今後のgumiの業績はどうなるのか?

■基本情報(2020年7月17日時点)

  • 株価:945円
  • 時価総額:295億円
  • 予想PER:10.5倍
  • PBR:2.0倍
  • 予想配当利回り:0.52%
  • 自己資本比率:71.1%
  • 会計基準:日本基準

■gumiの業績は?なぜV字回復したのか?

 gumiの2020年4月期の売上高は198億円(前年比△6.7%)、営業利益は22.3億円(前年は赤字)と減収増益となった。2019年4月期の営業利益は△14.3億円の大きな赤字を計上しており、まさにV字回復という結果となった。スマートフォンゲーム(モバイルオンラインゲーム)は既存のタイトル(ゲーム)の収益(売上高)に新規タイトルの収益を上乗せしていく形となっている。つまり、既存タイトルにしっかりした課金ユーザーがいれば、安定的に収益を稼げるビジネスモデルとなっている。もちろん、課金ユーザーに飽きられて、他社のタイトル(ゲーム)に逃げられる可能性はある

 2020年4月期の営業黒字の大きな要因は、広告宣伝費の大幅な削減だ。2019年4月期の広告宣伝費は38.0億円だったものの、2020年4月期には17.9億円と前年比で△20.1億円の削減。もう一つは、売上原価比率が74.7%(2019年4月期)から67.6%と+7.1%(約14億円)改善している点だ。売上原価には、Apple社などへの支払手数料や開発コスト(人件費、外注費)、通信費用(サーバー費用ほか)が含まれている。なお、Apple社やスクエア・エニックスなどへの支払手数料だけで年間40億円ほど負担している。

■そもそもgumiの事業内容は?

 gumiはスマートフォンゲーム(モバイルオンラインゲーム)の売上高が99%を占める。代表的なタイトルでは、「ファンキル」やファイナルファンタジーシリーズの「FFBE」などがある。ファイナルファンタジーシリーズではスクエアエニックスが開発したシリーズであるため、開発はgumi、配信はスクエアエニックスがおこなっている。gumiは国内だけで展開しているゲーム会社ではない。2020年4月期の国内売上高は153億円(約77%)、海外売上高は46億円(約23%)とグローバル展開しているのが特徴だ。

 ゲーム事業以外では、投資事業(XR事業)とブロックチェーン事業をおこなっている。今後これらの事業の収益が上がってくるか不明であるものの、大きなビジネスになる可能性を秘めている。gumiの自己資本比率は70%を超えており、財務的には健全だ。当面は増資も必要ないはずだ。

■gumiの株価推移は?

 gumiは2014年12月に上場時の3,340円の株価を超えられずに上場ゴールと言われ続けた企業。2020年7月17日時点の株価は945円のため、上場時から株価は3分の1になった形だ。アベノミクス以降の上昇トレンドに乗れず、株価は低迷してきたものの、ようやく上昇の兆しが見えてきた。週足で見ると、上向きトレンドに入ったように見える。心配されるのは第二のコロナショックのような地合いの悪化だ。ただ、2020年4月期にはしっかりと利益を出しており、業績の転換点にきたと考えてもよいかもしれない。

以 上

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