システムインテグレーターのニーズウェル、順調に事業拡大を進める!

 金融向けの業務系システム開発を中心としたシステムインテグレーターのニーズウェル。2017年9月にジャスダックに上場し、現在は東証プライム市場に上場。上場にともない、約3.5億円の資金調達を実施。1986年10月設立、従業員数は582名。安定した成長は長期投資に向いているかもしれない。

■基本情報(2022年10月21日時点)

  • 株価:651円(10年来高値:1,043円)
  • 時価総額:66億円
  • 予想PER:13.2倍
  • PBR:1.85倍
  • 予想配当利回り:3.07%
  • 自己資本比率:75.9%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,726人(2021年9月30日時点)

■ニーズウェルの業績は?

 ニーズウェルの2022年9月期の第三四半期の売上高は49.7億円(前年同期比+16.7%増)、営業利益5.3億円(前年同期比+21.6%増)の増収増益。ニーズウェルの売上総利益率は+23.9%(前年は+25.2%)、営業利益率は+10.6%(前年は+10.2%)。業務受託ような形で事業を請け負って開発をしていることが中心のため、粗利がそれほど高くない。結果的に、営業利益が今後、20~30%になる可能性はほぼないビジネスモデルと考えてよいだろう。

 売上総利益は10.8億円(前年同期)→11.9億円と+1.0億円と増加し、販管費が6.4億円→6.6億円と+0.2億円の増加にとどまったため、営業利益の増となった。

■ニーズウェルの事業内容は?

 ニーズウェルは金融向けの業務システムの開発が中心のシステムインテグレーターだ。エンドユーザーとの直接取引は全体の57.7%となっており、言い換えると、残りの約4割は大手システム会社の外注という位置づけだ。ニーズウェルもさらに外注企業(協力会社)を活用している。システム開発でよくある構造だ。

 ニーズウェルはここ最近、M&A・業務提携・資本提携を積極的におこなっている。この点はあたらしい。たとえば、2020年2月にアイティフォーと資本業務提携を実施、開発案件の両社技術者の融通を約束。2021年3月に総研システムズに出資し、開発人財の供給を受けることを約束。2021年7月にキヤノンITソリューションズと資本業務提携し、開発案件の獲得と受注支援などを約束。システム開発の需要さえなくならなければ、ニーズウェルが活躍するケースはなくならないだろう。

■ニーズウェルの財務状況は?

 ニーズウェルの2022年6月30日時点の財務諸表をみると、現預金は26.2億円、ソフトウェア勘定も86百万円しか計上されていない。関係会社株や投資有価証券も合計で3.0億円ほど。いっぽう、有利子負債はゼロ。ニーズウェルは収益力はきわめて高いわけではないものの、事業はきわめて安全で堅調な状況を維持している。

■ニーズウェルの株価推移は?

 ニーズウェルの時価総額は66億円。株価的には割安だ。ただ、オービックやラクス、Sansan、freee、サイボウズなどのように自社IT製品を持たないのが弱みであり、株価が低迷している理由だ。システムインテグレーターは株価が爆発的に伸びないものの、少しずつ成長していくのが特徴だ。長期投資には向いているかもしれない。配当も3%を超えており、今後の増配も期待できる。現時点で配当性向はだいたい50%くらいだ。

独立系システムインテグレーターのオービック(4684)、株価上昇が止まらない!(2020年6月7日投稿)

(画像1)ニーズウェルの株価推移

以 上

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