スマートフォンゲームや投資事業(ブロックチェーン事業、VR事業)を中心に事業を展開しているgumi(グミ)。ここ最近、NFT(Non-Fungible Token、代替不可能なトークン)が注目を集め、マネックス、メタップスなどNFT銘柄の株価が上昇している。gumiが出資するdouble jump.tokyoがスクエア・エニックスと「ミリオンアーサー」IPを活用したNFTデジタルシールの販売・システム開発の協業を発表し、gumiの株価も上昇している。今後のgumiの業績と株価の行方はどうなるのか?
スマホゲームのgumi(3903)、「ファイナルファンタジー」シリーズなど好調!(2020年7月19日投稿)
■基本情報(2021年3月26日時点)
- 株価:952円(10年来最高値:3,340円)
- 時価総額:297億円
- 予想PER:10.6倍
- PBR:1.83倍
- 予想配当利回り:0.52%
- 自己資本比率:65.4%
- 会計基準:日本基準
■gumiの業績は?
gumiの2021年4月期の第三四半期の売上高は148億円(前年同期比+1.9%増)、営業利益18.5億円(前年同期比+42.9%増)の増収増益となった。gumiの売上総利益率+29.8%、営業利益率は+12.5%。gumiは暗号資産(仮想通貨)の評価益や売却益、持分法による投資利益で経常利益は+28.4億円(前年同期は+12.2億円)と大幅増となっている。
■新ゲーム「乃木坂的フラクタル」発表!
gumiは「アナタだけの乃木坂46をプロデュースできる」をコンセプトとした「乃木坂的フラクタル」の新作ゲームの開発を発表。2021年春の配信を予定している。株式市場ではファイナルファンタジーシリーズやガンダムシリーズなどの大型ヒットシリーズの発表を期待していたため、翌営業日は失望売りで株価は大きく下がった。ただし、現在はブロックチェーンのNFT期待により失望売り前の水準まで株価は回復している。
■gumiのNFTへの期待は?
gumiはブロックチェーン事業やVR事業などをおこなっている企業に出資をおこなっている。いま話題になっているのは、gumiが出資するdouble jump.tokyoがスクエア・エニックスと「ミリオンアーサー」IPを活用したNFTデジタルシールの販売・システム開発の協業を発表したからだ。ちなみに、double jump.tokyoへの出資について、gumiは上場企業のDLEから1.8億円(出資比率22.61%)で株式を譲り受けている。
そもそもNFTとはデジタル資産をブロックチェーン技術をつかって取引するもの。2021年3月24日にマネックスグループのCoincheckが「Coincheck NFT(β版)」というNFTマーケット(取引所)をスタート。NFTマーケットとしてはgumiが出資するOpenSeaなどもある。gumiはNFT銘柄としてテーマ株として資金が流入し株価が上昇している状況だ。
■NFT関連は儲かるのか?
デジタル資産を取引するNFTマーケットが注目を集めているものの、これからの社会やビジネスでどのような広がりを見せていくか今のところ見えない。株式市場でもNFT銘柄の期待はあるものの、ビジネスとして発展していくか疑心暗鬼の段階だ。ゲーム上のアイテムなどがNFTマーケットで取引されているものの、他の分野でどこまで広がるか、もう少し時間が必要。
ブロックチェーン技術に関しては、不動産登記やマイナンバーカードと個人情報(納税、通院、経歴、戸籍、住民登録など)の紐づけなどで活用される可能性はあるものの、ビジネス規模がどこまで広がるか期待だけが先行している。もちろん、暗号資産(仮想通貨)のように巨大な市場になる可能性はありえるが、将来の姿は今のところ見えていない。
■gumiの株価の行方は?
gumiの時価総額は約300億円。現在のスマートフォンゲームの事業規模、収益性を考えても割安だ。ブロックチェーン事業だけでなく、VR(仮想現実)技術は様々な分野に広がる可能性があり、gumiの事業領域は期待がもてる。現在、gumiだけでなく、ガンホー、コロプラ、アカツキなどゲーム銘柄の株式市場での評価(時価総額)は低い。どこかで見直しが入ると期待したい。
以 上