ソフトウェアで社会を支える東海ソフト、トヨタ・日立とのつながり強い!

 車載の組み込みソフトウェアや製造・物流システム開発などソフトウェアのインテグレーターとして活躍している東海ソフト。1970年設立、名古屋本社、従業員数543名の老舗ソフト会社。1980年に組込みソフトウェアに参入し、日本の産業をソフトウェア技術で支えている企業。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年7月28日時点)

  • 株価:1,061円(10年来高値:1,972円)
  • 時価総額:52億円
  • 予想PER:8.4倍
  • PBR:1.07倍
  • 予想配当利回り:3.29%
  • 自己資本比率:60.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,147人(2022年5月31日時点)

■東海ソフトの業績は?

 東海ソフトの2023年5月期の売上高は77.2億円(前年比+5.7%増)、営業利益8.6億円(前年比+28.4%増)の増収増益。東海ソフトの売上総利益率は+25.2%(前年は+23.1%)、営業利益率は+11.2%(前年は+9.2%)と利益率が改善している。売上総利益率はそれほど高くないものの、販管費がそれほど大きくないため、営業利益率は2ケタに到達している。

 東海ソフトの売上総利益は前年の16.9億円→19.5億円と+2.6億円の増加、販管費は前年の10.1億円→10.8億円と+0.7億円の増加となり、差し引きで営業利益は6.7億円→8.6億円と改善した。1株あたりの純利益は131.1円で、株価の1,061円から考えると割安感がある。

■東海ソフトの事業内容は?

 東海ソフトの事業内容は、組込みソフトが全体の34%、製造・流通の業務システム関係が51%、金融・公共関連事業が15%となっている。組み込みソフトは車載関連はトヨタグループが47.2%、産業機器は富士電機が59.4%と大手企業との取引比率が大きい。

 金融・公共関連事業は日立グループが99%となっており、ほぼ日立グループの協力会社という位置づけだ。東海ソフトは大手企業との取引実績があり、それほど営業活動をしなくても業務自体は受注できる体制と言えるだろう。

■2024年5月期の業績予想は?

 東海ソフトの業績予想をみると、売上高は81億円(前年比+4.9%増)、営業利益9.0億円(前年比+4.0%)を計画している。1株当たりの当期純利益であるEPSは前年の131.1円/株→124.9円/株と若干さがり、株価期待値としては押し下げられる。利益自体は伸びるものの、法人税負担の関係での影響だ。

 東海ソフトは安定的に成長しているものの、成長性と収益性ともにもう少しインパクトがほしいところ。たとえば、成長性が2ケタであれば、予想PERは20~25倍(現在は9倍)まで伸びる可能性はある。

■東海ソフトの財務状況は?

 東海ソフトの2023年5月31日時点の財務諸表をみると、現預金は14.8億円、有形固定資産は35.8億円(土地:18.0億円)となっている。負債をみると、有利子負債が14億円、未払費用が6.0億円となっている。財務的には健全だ。利益剰余金は30億円まで積み上がっている。

 キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは運転資金増により+13百万円のプラス、投資CFは△34百万円、財務CFは長期借入金の返済があり△3.4億円となり、現預金の増減は△4.1億円の減少となった。

■東海ソフトの株価推移は?

 東海ソフトの時価総額は約50億円。株価指標的には割安だ。しかしながら、あくまで大手企業の協力会社としてソフトウェア構築支援という位置づけのビジネスモデルのため、短期的に業績が一気に伸びることはないだろう。長期的に徐々に業績が向上していき、いずれ売上高150億円、営業利益15億円などになり、時価総額100~150億円くらいに時間をかけて達成する会社ではないだろうか。

(画像1)東海ソフトの株価推移

以 上

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