TATERUからRobot Homeに!AI・IoTを活用した不動産管理事業

 AI・IoTを活用した不動産管理事業やIoT機器の開発・製造・販売などをおこなっているTATERU(旧インベスターズクラウド)。2021年4月よりRobot Homeに商号を変更する。TATERUは2018年8月に顧客の融資を通りやすくするための預金通帳の改ざん(預金残高の水増し)が報じられ、アパート販売事業の縮小をせまられた。現在は過去の自社物件などの管理やIoT関連事業に力をいれている。今後のTATERUの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年3月5日時点)

  • 株価:176円(10年来高値:2,549円)
  • 時価総額:160億円
  • 予想PER:228.5倍
  • PBR:2.21倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:77.2%
  • 会計基準:日本基準

■TATERUの業績は?

 TATERUの2020年12月期の売上高は61.5億円(前年比△67.4%減)、営業利益は△6.6億円(前年は△96.7億円の赤字)と大きく事業規模を縮小させた。TATERUの売上総利益率は+26.7%、もう少しで販管費をカバーできるところまで到達している。TATERUは従来のアパート販売事業からAI・IoT関連企業に変革を進めており、もしかすると不動産IT企業のような位置づけになる可能性を秘めている。

 TATERUは預金通帳改ざんによる致命的な失敗をしてしまったものの、アパート経営のIoT化という最新のビジネスモデルを取り入れたのは時代にマッチしている。たとえば、アプリによる入居者管理、アパート管理により入居者、オーナー、不動産管理会社に新しい価値を提供した。スマートフォンから受話対応できるカメラ付きインターフォンの導入やスマートロックなど最新技術を導入している。

■TATERUのストック収入ビジネス!

 TATERUはAI・IoT技術を生かした賃貸管理事業を強化している。現在は2.4万戸を管理し、他社施工の物件も1.7千戸管理している。また、入居者への家賃保証サービスも拡大中だ。不動産管理事業は安定的に収入が入ってくるため、TATERUの営業利益の中心となっている。

■TATERUのセグメント別損益は?

 TATERUはKANRY事業(不動産管理)とTATERU事業(不動産販売)の2つに事業がわかれている。現在のTATERUを支えているのは売上高30億円のKANRY事業だ。これからは不動産管理とAI・IoT関連事業に力をいれていく予定だ。

■TATERUの株価の行方は?

 TATERUの株価は2018年4月の最高値圏より10分の1まで下落している。いまのTATERUを積極的に買う個人投資家はあまりいないのではないだろうか?しかしながら、TATERUは財務的にほぼ無借金を達成し、賃貸管理事業があるため安定的に収益を稼げるビジネスモデルになっている。

 IoT製品としては、セキュリティカメラ、スマートロック、アプリと連携した屋内用センサー、赤外線学習リモコン、スマートライトなど新しい機器を開発している。2020年11月には電力価格の予測を可能にするAIを開発し、新電力のホープに提供している。

 TATERUは2022年度に営業利益10億円を目指している。TATERUがRobot Homeという新しい会社として不動産IT企業に変革する場合、これからの成長は期待できるかもしれない。株価については、ここから更に下がるリスクは高くないだろう。

(画像4)TATERUの株価推移

以 上

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