「バイトル」と「コボット」のディップ(dip)、AIの活用で生産性をあげる!

 人材サービスの「バイトル」「はたらこねっと」「ナースではたらこ」やDX事業の「コボット」を展開しているディップ(dip)。アフターコロナとなり、飲食店などリアル店舗の求人が戻っており、ディップの求人募集も回復している。今後はいかに新しい領域に拡大できるかがディップの課題。

アルバイト募集「バイトル」展開のディップ(2379)、新型コロナによる求人数減少が直撃!(2020年10月10日投稿)

■基本情報(2023年5月2日時点)

  • 株価:3,355円(10年来高値:4,930円)
  • 時価総額:2,017億円
  • 予想PER:19.9倍
  • PBR:4.97倍
  • 予想配当利回り:2.47%
  • 自己資本比率:75.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:9,028人(2022年2月28日時点)

■ディップの業績は?

 ディップの2023年2月期の売上高は493億円(前年比+24.9%増)、営業利益115億円(前年比+106%増)の大幅な増収増益。ディップの売上総利益率は+89.3%(前年は+88.5%)、営業利益率は+23.4%(前年は+14.2%)と売上規模の増加により大きく営業利益率も改善している。

 ディップの売上総利益は前年350億円→441億円と+91億円の大きな伸びとなり、販管費は前年293億円→325億円と+32億円の増加にとどまり、差額の59億円の増益となった。ディップは人件費と広告宣伝費が経費のほとんどであり、粗利が大きく増えると、そのまま利益になるのが特徴だ。

■2024年2月期の業績予想は?

 ディップの業績予想は、売上高563億円(前年比+14.1%増)、営業利益145億円(前年比+25.7%増)を計画している。この数値はコロナ前の過去最高の売上高464億円を超えるものであり、営業利益も過去最高を目指す。

 すでにディップのなかではコロナは過去のものとなっている。その業績を支えているのは「バイトル」の求人事業だ。また、「はたらこねっと」も売上高を支えている。ディップと契約している顧客数は1.5万件に上り、右肩あがりで増えている。

■ディップ情報

 ディップは東証マザーズに上場してから成長をつづけている。従業員数は2,925名(2023年2月末時点)と規模も大きい。新卒を612名採用しており、全社員の5分の1が新入社員という状況。ピラミッド組織となっており、生き残る社員にとっては、毎年、あたらしい若手が入ってくるので、居心地はとてもよいだろう。

 2020年度のディップの離職率は11%と高いものの、人材業界では一般的な水準。実力主義で評価される社風であり、結果を出せば上にあがれる組織だ。

■ディップの財務状況は?

 ディップの2023年2月末時点の財務状況をみると、現預金は219億円、ソフトウェアを84億円もっている。また、投資有価証券を71億円もっており、多くのベンチャー企業に投資している。いっぽう、有利子負債はゼロと財務的には超優良企業だ。

 ディップの営業CFは+132億円、投資CFは△41億円と無形資産の支出が35億円と多い。財務CFは△37億円と配当金の支払い39億円が影響している。差引で現預金は+54億円の増加となっており、キャッシュリッチな会社だ。

■ディップの株価推移は?

 ディップの時価総額は約2,000億円。株価指標的には予想PER20倍、予想配当利回り2.5%前後で割安感はある。成長性もあり、大手人材会社のリクルート(時価総額:6.4兆円)やパソナ(時価総額:770億円)、パーソル(時価総額:6,500億円)など目標とする企業もあり、まだまだ伸びしろがあると言えるだろう。

 アルバイトなどの求人サイトはたくさんあるものの、「バイトル」の脅威になる存在はでてこない。リブセンス(時価総額:80億円)の「マッハバイト」など同じようなサービスはあるものの、テレビCMなど資金力でディップが圧倒している状況だ。業界構造は簡単には変わらないだろう。

 正社員の募集であれば、人材紹介や業務委託など専門分野(IT人材、医療系など)の成長企業がでてきているものの、アルバイトという大きなマーケットでは「バイトル」に代わる存在はなかなかでないだろう。

業績回復のリブセンス!「マッハバイト」「転職会議」が上向きに!!(2022年8月13日投稿)

(画像1)ディップの株価推移

以 上

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