前年比+40%超の成長のビジョナル、「ビズリーチ」が好調!

 ダイレクトリクルーティングのプラットフォーム「ビズリーチ」や人材活用を実現するクラウド型サービスの「HRMOS(ハーモス)」などの事業を行っているビジョナル(VISIONAL)。2021年12月9日に「主力事業のビズリーチが当初予定よりも好調」という理由で大幅な上方修正を実施。グロース銘柄のなかでも成長性が高いビジョナル。ビジョナルの株価と業績はどうなるのか?

HRテックのビジョナル、ビズリーチと戦略的人事クラウド「HRMOS」で攻める!(2021年7月23日投稿)

人材サービス「ビズリーチ」運営のビジョナル、株式市場の期待に応えられるか?(2021年4月29日投稿)

■基本情報(2022年1月28日時点)

  • 株価:7,810円(10年来高値:11,550円)
  • 時価総額:2,802億円
  • 予想PER:68.3倍
  • PBR:11.52倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:66.1%
  • 会計基準:日本基準

■ビジョナルの業績は?

 ビジョナルの2022年7月期の第一四半期の売上高は95.7億円、営業利益25.4億円、前年は連結財務諸表を作成していないという理由で、前年同期比での比較は掲載していない。ビジョナルの売上総利益率は+86.4%(前年同期は+88.0%)、営業利益率は+26.5%(前年同期は△7.4億円の赤字)。

 ビジョナルは2021年4月22日に東証マザーズに上場しており、それほど時間はたっていないものの、年間売上高は400億円を超える規模であり、東証一部に上場していてもおかしくない。ビジョナルの企業規模を考えると、成長性・収益性ともに他社を圧倒していると言えるだろう。

■ビズリーチのコロナ禍でのリバウンドは?

 ビズリーチ(BizReach)の2022年7月期の第一四半期の四半期比での成長率は+68.8%、売上規模は82億円とビジョナルの約9割の売上高を占める。コロナ禍で採用を再開した企業から力強い採用意欲がビジョナルの業績につながっている。一時的な特需で盛り上がっているのか、人材採用市場(HRテック)の変革か見極める必要がある。

 ビズリーチの累計導入企業数は1.8万社を突破。ビズリーチでスカウト可能な会員数は144万人を突破した。ビズリーチのプラットフォームを利用しているヘッドハンター(企業に人材を紹介する仲介業者)は4,900名を超えた。ヘッドハンターはビズリーチの品質を維持するために審査制になっている。

 ビズリーチはパフォーマンス売上高(一時的な売上高)とリカーリング売上高(反復性のある売上高)に分けており、将来の売上高のベースになるリカーリング売上高の比率は31%。ビズリーチのヘッドハンターと採用企業のどちらから手数料をもらっているか示す数値では採用企業から62%の手数料を受けている。とくに注意が必要なのはリカーリング売上比率だ。特需で業績が伸びている可能性があり注意が必要だ。

■HRMOS(ハーモス)の状況は?

 ビジョナルが力を入れている次の柱事業候補のHRMOS(ハーモス)。2022年7月期の第一四半期の売上高は3.3億円、営業利益は5.5億円の赤字。いまは投資段階に過ぎない。HRMOSの利用企業数は前期の833社→989社に+18.7%増。平均解約率は1%を下回っている。

 ビジョナルがHRMOSに力を入れているのは、今後は経費精算や勤怠管理などのサービスと連携させ、大きな企業ソフトの分野に育ていることが狙いだ。採用管理からビズリーチに送客する仕組みづくりを構築している。

■ビジョナルの株価推移は?

 ビジョナルの時価総額は2,800億円。いまの成長性と収益性を考えると、ほかのグロース銘柄であるラクス、freee、マネーフォワード、メルカリなどよりも株価は妥当な範囲にあると言えるのではないだろうか。

 ビジョナルは現預金を266億円もっており、固定資産への投資はほとんど不要。キャッシュがどんどんたまるビジネスモデルであるため、積極的なM&Aや事業投資に資金を集中させることが可能だ。ただ、時価総額がすでに2,800億円と大きく、株価が調整するときは大きく下落することも予想され、なかなか投資しずらいのも事実。悩ましい。

(画像1)ビジョナルの株価推移

以 上

 

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