マンガアプリの「マンガBANG!」や女性向けマンガ・エンタメ情報アプリ「Palfe(パルフェ)」などを展開しているAmazia。電子書籍取次のメディアドゥや大手出版社を通して電子コミックを調達し、マンガアプリで配信するビジネスモデルを展開している。新型コロナウイルスの影響による巣ごもり消費増により業績は絶好調だ。漫画(コミック)のスマートフォンでの閲覧のライフスタイルが進み、同業他社はどこも好業績と思われる。競争が激化していくなか、Amaziaの株価の行方は?
■基本情報(2020年8月14日時点)
- 株価:3,835円
- 時価総額:257億円
- 予想PER:42.2倍
- PBR:16.99倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:55.4%
- 会計基準:日本基準
■業績好調なAmazia、従業員はたった20名ほど!
マンガアプリ「マンガBANG!」、「Palfe(パルフェ)」、マンガ投稿サービスの「マンガEpic!」を展開しているAmazia。2020年9月期の第三四半期の売上高は53.9億円(前年同期比+133.8%)、営業利益は7.7億円(前年同期比+144.2%)と大幅な増収増益。スマートフォンで漫画(コミック)を読むライフスタイルが浸透するなか、新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増加。そのような中、Amaziaの業績は売上高・営業利益ともに倍増した形だ。
■拡大する電子マンガ市場!
電子書籍市場はここ数年で急拡大しており、2018年の市場規模は約2,800億円。その84%は漫画(コミック)が占めているとインプレス総合研究所より公表されている。自宅やスキマ時間(通勤・通学ほか)で手軽で楽しめるエンタメとして社会への浸透をつづける電子コミック。Amaziaは「マンガBANG!」、競合他社のビーグリーは「まんが王国」を提供している。トップの「めちゃコミック」など大手企業の子会社などが事業展開をしている。
製造企業と異なり、ビジネスモデルを作ってしまうと、少人数でしっかり利益が積み上がる仕組みであるのも、アプリ事業の特徴だ。Amaziaの従業員数は23名(2020年6月末時点)、競合他社のビーグリーは約70名という従業員の規模感となっている。在庫を持つこともなく、課金と広告収入で売上を計上できる高収益モデルとなっている。大手出版社の集英社、講談社、スクエアエニックス、取次大手のメディアドゥから電子書籍を仕入れるモデルだ。
■Amaziaの株価推移、今後の株価の行方は?
Amaziaの株価は2018年12月の上場から堅調に上昇をつづけている。コロナショックなどの下落があるものの、好調な業績のもと、株価は右肩あがりをつづけてきた。現在のAmaziaの時価総額は約250億円。予想PERは40倍を超えているものの、1年間で倍以上の売上規模に成長している企業のため、PERで株価の割高を判断することはできない。
同業他社のビーグリー(売上高120億円、営業利益10億円)の時価総額は約110億円とAmaziaの半分以下の水準。ただし、Amaziaの売上高(前年比)の成長率は+133.8%、ビーグリーは+9.9%と成長性をみると圧倒的にAmaziaのほうが高い。現在のAmaziaの時価総額(株価)には将来の成長性がしっかりと織り込まれているものの、営業利益で年間20億円~30億円を出すようになった場合は、時価総額600~1,200億円くらいまで上昇する可能性は十分ある。
心配されるのは、「めちゃコミック」「まんが王国」「LINEマンガ」「コミックシーモア」「ピッコマ」など競合他社が多い点だ。トップを走る「めちゃコミック」を運営するアムタスはインフォコム(4348)の子会社。「ピッコマ」は韓国大手IT企業のカカオが運営している。「コミックシーモア」はNTTグループが運営。今後の競争激化には注意が必要だ。
以 上