「保険市場」のアドバンスクリエイト、ソフトウェア内製化が強み!収益性高い!

 保険代理店「保険市場」を中心にインシュランス関連のビジネスを展開しているアドバンスクリエイト(Advance Create)。IT部門(インシュランステック)で100名以上の人材を抱えているテクノロジー企業でもある(従業員数511名)。保険代理店の支店の営業員は30代以下が約90%と若い。現状は6期連続増収を達成。今後のアドバンスクリエイトの業績と株価の行方は?

「保険市場」のアドバンスクリエイト(8798)、安定した成長!(2020年5月24日投稿)

■基本情報(2022年9月22日時点)

  • 株価:1,085円(10年来高値:1,300円)
  • 時価総額:245億円
  • 予想PER:16.3倍
  • PBR:3.46倍
  • 予想配当利回り:2.99%
  • 自己資本比率:57.4%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:29,663人(2021年9月30日時点)

■アドバンスクリエイトの業績は?

 アドバンスクリエイトの2022年9月期の第三四半期の売上高は88.2億円(前年同期比+5.2%増)、営業利益16.2億円(前年同期比+0.2%増)の増収増益。成長性が鈍化しているのが気になる。

 アドバンスクリエイトの売上総利益率は+78.4%(前年同期は+77.9%)、営業利益率は+18.3%(前年同期は+19.2%)。アドバンスクリエイトの売上高の約80%は保険代理店事業で、残りはメディア事業などが占める。まだまだ、保険代理店事業が会社を支えている構造は変わらない。

■アドバンスクリエイトの事業概要は?

 アドバンスクリエイトの売上高内訳をみると、全体の80%は保険代理店の売上高が占めており、その成長性は+1.8%と低成長となっている。いっぽう、メディア、メディアレップ、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)などは高い成長性を示しているものの、事業規模がまだまだ小さい。

 アドバンスクリエイトの特徴は保険専門のソフトウェアを自社内で開発していること。社内に100名以上のIT人材が在籍しており、付加価値を出そうとしている。保険証券管理アプリ「folder」(15万ダウンロード突破)を展開しており、保険証券をデータ化してクラウドで管理できるようにしている。

 アドバンスクリエイトが取り扱っている保険は、自動車保険、バイク保険、自転車保険、火災保険、海外旅行保険、生命保険など。なお、アドバンスクリエイトの収入源は保険会社からの紹介手数料が中心だ。

■保険代理店以外の事業内容は?

 メディア事業は、保険選びサイト「保険市場」の広告を受注している。保険会社が広告を依頼するもの。メディアレップ市場は保険会社から広告運用を受託するもの。広告運用会社のような役割を果たしている。

 再保険事業は、販売した保険リスクを別の保険会社に転嫁するもの。保険会社が行うような事業をしている。現在は11社(生命保険会社8社、損害保険会社2社、少額短期保険会社1社)と協業している。

 ASP事業は、自社開発したソフトウェアを外部に提供している。パッケージソフトのような位置づけで、保険会社を中心にサービスを提供している。ただ、ID数の伸びはそれほど高くない。

■アドバンスクリエイトの財務状況は?

 アドバンスクリエイトの2022年6月30日時点のB/Sを見ると、現預金は16.8億円、未収入金25.6億円、有利子負債は約9億円となっている。アドバンスクリエイトのこれまでの利益剰余金は36億円。

 アドバンスクリエイトの配当性向は約50%で、稼いだ利益の半分を株主に配当しており、それほど利益剰余金がたまる構造ではない。

■アドバンスクリエイトの株価推移は?

 アドバンスクリエイトの時価総額は約250億円。株価推移をみると堅調に右肩あがりのチャートになっているものの、株価指標的には物足りない部分もある。アドバンスクリエイトの2022年9月期の業績予想は、売上高125億円(前年比+13.4%増)、営業利益24億円(前年比+12.7%増)と成長性と収益性も高い。

 しかしながら、予想PERは16倍とそれほど高い評価ではない。かりにITサービス企業だったならば、時価総額は500~1,000億円くらいまで上昇していてもおかしくはない。金融関連の企業は評価が低くなる傾向が高い。アドバンスクリエイトはリカーリングビジネスのような位置づけでビジネスをしており、なかなか売上高が下がることは少ない。将来的には資産アドバイザーのような位置づけでビジネスを展開するのではないだろうか?

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(画像1)アドバンスクリエイトの株価推移

以 上

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