コスト削減の成果報酬型のコンサルティングを提供しているプロレド・パートナーズ(以下、プロレド)。インフレの影響やコロナによる飲食店の営業自粛により、コスト削減コンサルの成果報酬が減ったり、案件数が大きく減っている。投資事業組合であるファンドは好調であるものの、メインの事業は赤字から脱却できていない。今後の業績と株価の行方は?
コスト削減の成果報酬コンサルのプロレド・パートナーズ、今後の業績の行方は?(2023年8月14日投稿)
投資事業組合による運用益8.6億円、プロレド・パートナーズの挽回なるか?(2023年6月17日投稿)
■基本情報(2023年9月15日時点)
- 株価:484円(10年来高値:6,280円)
- 時価総額:54億円
- 予想PER:8.8倍
- PBR:0.86倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:56.2%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:3,264人(2022年10月31日時点)
■プロレドの業績は?
プロレドの2023年10月期の第三四半期の売上高は19.2億円(前年比△3.1%減)、営業利益△2.4億円(前年同期は△42百万円)の減収赤字幅の拡大となった。プロレドの売上総利益率は+28.9%(前年は+50.4%)と大きく悪化している。
プロレドの売上総利益は前年の10.0億円→5.5億円に△4.5億円の減少、販管費は10.4億円→7.9億円と△2.5億円の減少となり、差し引きで営業利益は△0.4億円→△2.4億円と△2.0億円の悪化となった。いっぽうで、投資事業組合ブルパス・キャピタルの利益により、四半期の利益は+9.4億円となっている。
■プロレドの業績内容は?
プロレドの業績内訳を詳しくみると、コストマネジメントはコンサルタント数は61名(前年同期は93名)、売上高は12.5億円(前年同期は16.7億円、前々年は24.8億円)となっている。案件数はそれほど減っていないものの、成果報酬部分が大きく下がっていると思われる。
コストマネジメントの売上総利益率は+67.7%(前年は+56.0%)と改善している。決算説明資料をよく読むと、新規事業領域のコンサルタント数が39名いて、その部分が大きなマイナスを計上していると思われる。言い換えると、コストマネジメントの売上高が高まってくれば、業績は自然に回復すると思われる。
■どのような手を打つべきか?
プロレドのかじ取りは難しい。コストマネジメントはインフレが落ち着いてきたら、業績は大きく回復すると思われるものの、現在の規模に見合ったコンサルタント数まで減らすと、成長するときに人材育成が大きな課題になる。
現在は耐え忍ぶ時期かもしれない。成果報酬モデルから固定報酬のコンサルティングサービスの拡充を図る施策を打っているものの、将来的には成果報酬のほうが業績の急回復に期待ができるのではないだろうか。
■プロレドの財務状況は?
プロレドの2023年7月31日時点の財務状況をみると、現預金は58億円、のれん2.8億円、投資有価証券39.5億円となっている。負債は、有利子負債が約11億円となっている。財務的にはきわめて健全だ。
プロレドは2018年7月の東証マザーズ上場時に、公募増資などで約20億円を調達している。純資産は自社分だけで61億円となっている。
■プロレドの株価推移は?
プロレドの時価総額は約55億円。純資産の規模を考えても、ここから大きく株価が下がることは難しいのではないだろうか。プロレド投資にとっては、いつインフレが収まり、コスト削減コンサルの成果報酬が増えてくるかがポイントだ。
以 上