スマホゲーム、情報サイト、自転車ネット通販のエイチーム(3662)、株価は下落トレンドつづく!

 情報比較サイトの「ハナユメ」「ナビナビキャッシング」「引越し侍」や人材紹介サイト「QiitaJobs」、そしてスマートフォンゲームと多角的に事業を展開しているエイチーム。新型コロナウイルスの影響により結婚式場比較サイトの「ハナユメ」やキャッシュローン情報サイトの「ナビナビキャッシング」の利用が落ち込んだことにより2020年7月期の業績は減収減益。ここ数年、売上高が前年割れし、営業利益は減少傾向。エイチームの株価も下落トレンドがつづいている。今後の株価の行方は?

■基本情報(2020年9月11日時点)

  • 株価:1,012円
  • 時価総額:200億円
  • 予想PER:-
  • PBR:1.68倍
  • 予想配当利回り:1.58%
  • 会計基準:日本基準

■低迷するエイチームの業績!

 スマホゲームや情報比較サイトを主に展開しているエイチーム。2020年7月期の売上高は317億円(前年比△14.6%)、営業利益12.7億円(前年比△54.7%)と大幅な減収減益となった。エイチームの業績内訳をみると、情報比較サイトのライフスタイルサポート事業、スマホゲームのエンターテイメント事業ともに減収減益。

 いままで赤字だったネット専門の自転車通販サイトである「cyma(サイマ)」が赤字であるものの、売上高は前年比+56%増で赤字幅は縮小となっている。新型コロナウイルスの影響により情報比較サイトが落ち込み、スマホゲームは新規タイトルが出ずに低迷、通勤用の自転車需要で「cyma」好調であるものの、ようやく赤字を脱却できた事業だった、というのが実情だ。

■エイチームの成長は止まった!?

 エイチームは2017年~2018年のあいだは、営業利益40億円を超える立派な業績を出していたものの、2019年から営業利益が悪化。業績を推移でみると、売上高はそれほど変わっていないものの、人件費・採用費が四半期ベースで4億円ほど上昇(月+1億円の増加)。人員数が2割~3割ほど増加したものの、売上高が上昇していないというのが実態だ。スマホゲームが苦戦するなか、情報比較サイトに力を入れたものの、思ったほど売上高がついてきていないことが数字から読み取れる。

■エイチームの事業内容は?

 エイチームは、ライフスタイルサポート事業、エンターテイメント事業、EC事業の3つにわけて事業をおこなっている。ライフスタイルサポート事業では、たとえば、引っ越し料金やサービスを比較して一括で見積りが依頼できる「引越し侍」というサービスを展開。車査定・買取では一括で査定を依頼できる「ナビクル」、結婚式場情報サイトとしては「ハナユメ」を展開している。このセグメントでは、顧客企業への「送客」を念頭においてビジネスを行っている。

 エンターテイメント事業では、スマートフォンゲームを展開している。たとえば、「初音ミク-TAP WONDER-」「ヴァルキリ コネクト」「三国BASSA!!」「三国大戦スマッシュ!」「ダービーインパクト」などを展開。スマホゲームは以前は稼ぎ頭であったものの、ヒットタイトルが出ずに低迷がつづいている。今後の新作の予定は、2021年に2本、2022年に1本の新規ゲームを計画している。この新作発表のペースでは、スマホゲームの収益は低迷が続きそうだ。

■エイチームの株価の行方は?

 エイチームは2017年後半より株価の下落トレンドがつづいている。業績の悪化が株価に織り込まれたと考えるべきだが、将来の成長ストーリーが見えてこないのが一番の株価下落の要因だ。情報比較サイトとスマホゲームにあまり期待できないなか、業績が伸びているのは自転車ネット通販サイトの「cyma」。しかしながら、「cyma」はようやく赤字から脱却したという状況だ。

 エイチームの現在の時価総額は約200億円。毎年、営業利益を10億円稼ぐのであれば、割高ではまったくない。エイチームの株価上昇には、投資家の期待を超える新しい事業の柱またはヒット商品が必要だ。幸い、エイチームの財務状況は健全で、巨額の「のれん」も計上されていない。相乗効果が見込める企業との提携や出資など、エイチームには「攻め」の戦略が残されている。株価の行方は、何か期待できるモノがでるまで様子見が妥当ではないか。

(画像7)下落トレンドがつづくエイチームの株価推移

以 上

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