「判例秘書」を買収の弁護士ドットコム、クラウドサインの成長は堅調!

 弁護士、税理士などの情報サイトやハンコレスな電子契約サービスの「クラウドサイン」を展開している弁護士ドットコム。弁護士ドットコム(相談サイト)の月間サイト訪問者数は横ばい・下がり気味であるものの、相変わらずペーパーレスの契約締結サービスのクラウドサイン(Cloudsign)が好調だ。送信件数は四半期で190万件を突破。競合のDocuSignなども伸びており、ペーパーレスの動きは継続だ。

日本最大級の法律相談ポータルサイト運営の弁護士ドットコム、販管費の増加が負担!(2022年10月30日投稿)

クラウドサインの弁護士ドットコム、ストック売上高で成長つづく!(2022年6月11日投稿)

■基本情報(2023年10月27日時点)

  • 株価:4,220円(10年来高値:15,880円)
  • 時価総額:944億円
  • 予想PER:126.9倍
  • PBR:26.9倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:60.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:13,442人(2023年3月31日時点)

■弁護士ドットコムの業績は?

 弁護士ドットコムの2024年3月期の第二四半期の売上高は49.5億円(前年比+22.2%増)、営業利益5.5億円(前年比+48.2%増)の増収増益。弁護士ドットコムの売上総利益率は+81.8%(前年は+84.0%)、営業利益率は+11.1%(前年は+9.2%)と堅調。

 弁護士ドットコムの売上総利益は前年の34億円→40億円と+6億円の増加、販管費は前年の30億円→35億円と+5億円の増加となり、約1億円の営業利益改善となった。

■弁護士ドットコムの事業状況は?

 弁護士ドットコムの売上高内訳をみると、弁護士支援サービスはほぼ横ばい、税理士支援サービスは若干伸びありという状況。そのなかで、クラウドサインが四半期比で確実に売上高を伸ばしている。年間の売上規模は約50億円と全体の50%を占める規模まで成長している。

 販管費の内訳をみると、本社も増床し、人材が増えて、人件費がどんどん増加している。また、広告宣伝費は年間で約16億円の規模となっている。2023年9月末時点の従業員数は461名。弁護士ドットコムの従業員の平均年齢は35.8歳、平均勤続年数は2.9年と短い。平均年収は660万円となっており、ITサービス企業としては妥当な水準だ(特に高い水準ではない)。

■「判例秘書」のLICの買収!

 弁護士ドットコムはリーガルテックの領域を広げるために、判例データベースのシェアトップのLICを買収。2023年10月2日に取得するため、2024年3月期の下半期はその売上高が約8~9億円ほど計上される。利益は年間2.5億円規模であり、のれん償却を差し引くと、年間で2億円程度の営業利益への貢献ではないだろうか。

 LIC買収の取得価格は開示されていないものの、黒字で利益率の高い企業であり、純資産が15億円あるため、20~30億円くらいで買収ではないだろうか。次の決算時には、のれんが計上されるため、おおよその買収額は推定できるだろう。弁護士ドットコムとLICにどこまでシナジーが生まれるか期待される部分と、買収をしないと成長感を演出できないのかと心配になる点もある。

■弁護士ドットコムの財務状況は?

 弁護士ドットコムの2023年9月末の財務諸表をみると、現預金は24億円(2023年3月末は16億円)、前払費用4億円、ソフトウェアが9億円となっている。負債をみると、短期借入金が9.5億円計上されており、おそらくLIC買収の資金ではないだろうか。

 弁護士ドットコムの利益剰余金は31億円あり、その多くをLICに費やしたと考えることもできるだろう。

 弁護士ドットコムのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+3.8億円、投資CFは△5.8億円、財務CFは短期借入金9.5億円があり+9.6億円となり、現預金の増減は+7.6億円になっている。財務的には健全だ。

■弁護士ドットコムの株価推移は?

 弁護士ドットコムの時価総額は約950億円。株価指標的には割高だ。成長率が+20%台に落ちており、いかに成長感を演出するかが重要になってくる。現在の利益水準であれば、時価総額は250~400億円くらいが妥当ではないだろうか。ここ最近は米国の金利上昇でグロース銘柄の株価が落ちている。日本の長期金利の上昇もグロース銘柄にはマイナスだ。なかなかグロースの株価が伸びる時期ではないかもしれない。

(画像1)弁護士ドットコムの株価推移

以 上

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