リアルイベント復活で業績悪化のJストリーム、業績挽回はあるのか?

 医薬関連を中心に動画ソリューションを提供しているJストリーム。コロナ禍で製薬メーカー中心に爆発的に伸びた業績が停滞し、利益面では特に悪化している。リアルイベントが重視される流れが続いており、特に医薬メーカーがウェビナーを抑制する傾向があり、Jストリームは業績下方修正を発表。今後の行方はどうなるのか?

動画ソリューションのJストリーム、成長鈍化も利益構造は盤石、株価の浮上はいつか?(2023年4月29日投稿)

動画配信ソリューションのJストリーム、コロナ禍で需要拡大も医薬関連は前年比減!(2022年11月5日投稿)

■基本情報(2023年10月27日時点)

  • 株価:404円(10年来高値:3,420円)
  • 時価総額:113億円
  • 予想PER:45.8倍
  • PBR:0.97倍
  • 予想配当利回り:3.96%
  • 自己資本比率:82.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:10,723人(2023年3月31日時点)

■Jストリームの業績は?

 Jストリームの2024年3月期の第二四半期の売上高は55.8億円(前年比△5.5%減)、営業利益2.9億円(前年比△61.9%減)の減収減益。Jストリームの売上総利益率は+35.5%(前年は+41.9%)、営業利益率は+5.3%(前年は+13.1%)と悪化している。

 Jストリームの売上総利益は前年の24.7億円→19.8億円と△4.9億円の減少、販管費は前年の17.0億円→16.8億円と△0.2億円の減少となり、差し引きで△4.7億円の営業利益減となった。

■Jストリームの近況は?

 コロナ5類移行によりリアルイベント回帰の傾向が強く、医薬系企業を中心に受注が減少している。売上高が減少して売上総利益が大きく減少しているものの、いったん増えた販管費はなかなか減らない状況だ。販管費比率は前年の28.8%→30.2%と悪化。

 製薬メーカーは薬価法改定にともなう価格低下の圧力や円安による外資企業の日本市場に対する優先度低下が業績悪化の背景としている。2024年3月期は配当総額4.0億円に対して、当期純利益は2.2億円を予定しており、利益剰余金を取り崩したタコ配当を予定している。配当利回りを維持することで、1万人を超える株主の期待にこたえたい考えが見える。ここで減配すると、株価がより下がる恐れがあるからだ。

■売上総利益率も悪化

 Jストリームは充実した決算説明資料を用意している企業のひとつ。売上総利益率の推移をみると、コロナ禍で上昇した利益率も現在は悪化がつづいている。四半期毎に利益率が悪化する流れがつづいている。

 売上原価をみると、人件費が前年同期の14.2億円→15.3億円と+1.1億円増加している。いかに膨らんだ固定費を削減するかがポイントになる。従業員数は連結ベースで691名と前年の664名から+27名の増加。

■ブームは去ったのか?

 動画によるビジネス機会の創出は増えないのか?という疑問については、そういう方向ではないと言える。ネット回線の容量増により、動画をスムースに視聴することができるインフラが整い、ビジネスでオンライン動画を活用するケースは今後も減ることはないだろう。

 しかしながら、医薬系のサービスIT事業をしているエムスリー、メドピア、ケアネットなどもコロナ禍の勢いがなくなり、株価は上場来最高値から数分の1になっている。これから、もう少し業績悪化は続くのではないだろうか。

■Jストリームの株価推移は?

 Jストリームの時価総額は約110億円。約半年前の2023年4月時点で時価総額は150億円あったため、約27%株価が下落している。Jストリームの株価チャートをみると、いまは含み損を抱えた投資家が非常に多いのではないだろうか。このようなチャートをみると、あと数年はなかなか復活の機会はないかもしれない。

(画像1)Jストリームの株価推移

以 上

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