「ゼブラック」などのマンガアプリを多数展開しているLink-U(リンクユー)。2021年3月12月の決算発表と合わせて、通期の業績下方修正を発表した。売上高、営業利益ともに大幅な下方修正となり、株価には大きなネガティブサプライズとなった。修正要因としては「海賊版サイトが複数出現していることによる売上の機会損失の発生、競合サービス数の増加等」としている。今後のLink-Uの業績と株価の行方はどうなるのか?
マンガアプリ「ゼブラック」展開のLink-U(4446)、リカーリングビジネスで安定成長つづく!(2020年9月12日投稿)
■基本情報
- 株価:1,386円(10年来高値:2,900円)
- 時価総額:194億円
- 予想PER:64.1倍
- PBR:9.57倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:84.7%
- 会計基準:日本基準
■Link-Uの業績は?
Link-Uの2021年7月期の第二四半期の売上高は6.8億円、営業利益1.2億円となった。従来は連結決算をしていなかったため、前年同期対比の比較はでていないが売上規模は増加していると思われる。Link-Uの四半期ベースの売上高をみると、四半期ベースでの売上規模が前回割れがつづいており成長がマイナスに突入している。そもそも、Link-Uの売上規模は年間20億円に満たないなかで、すでに成長率がマイナスになっていることは危機的だ。
■業績下方修正とリカーリング売上鈍化!?
Link-Uは今回、通期での業績を大きく可能修正した。要因としては海賊版サイトの台頭などをあげているが、同業他社であるイーブックイニシアティブジャパン、パピレスなどの業績は堅調だ。いっぽう、「マンガUP!」「マンガPark」などを一緒に運営しているand factory(アンドファクトリー)の業績も低迷しており、その際にも海賊版サイトの影響をあげていた。
Link-Uが売上規模にくらべて株価が評価されていた要因はリカーリングビジネスの影響だ。新規受注を獲得することなく、毎月、収益を積み上げられるビジネスモデルが評価されていたものの、そのリカーリング売上が鈍化しているのが悩ましい。
■Link-Uの株価の行方は?
Link-Uの時価総額は約200億円。下方修正後の2021年7月期の業績予想は売上高14.9億円、営業利益1.2億円となり、時価総額50~100億円くらいまで下落する可能性も十分ありえる。おそらく、割安と考える個人投資家の買いが集まることで、さらに下落トレンドがつづくことが予想される。いったん、株価がヨコヨコになるまで様子見が無難ではないだろうか。
以 上