eギフトのギフティ(giftee)、商品券、サンプリング、贈り物のデジタル化推進!

 デジタルなクーポン券を発行して、贈り物を実店舗で受け取るeギフトのプラットフォーム事業を展開しているギフティ(giftee)。これまでカタログギフトという分野はあったものの、全面的なデジタルなeギフトサービスの先頭に立っているのがギフティだ。今後はお中元・お歳暮などもeギフトにシフトしていくのではないだろうか?ギフティの業績と株価の行方はどうなるのか?ちなみに、贈り物市場は約10兆円と言われている。

■基本情報(2021年4月9日時点)

  • 株価:3,450円(10年来高値:4,870円)
  • 時価総額:937億円
  • 予想PER:131.3倍
  • PBR:21.56倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:70%
  • 会計基準:日本基準

■ギフティの業績は?

 ギフティの2020年12月期の売上高は30.8億円(前年比+74.4%増)、営業利益11.1億円(前年比+105.7%増)の増収増益となった。ギフティの売上総利益率は+84.7%、営業利益率は+35.9%。売上高については期初予想を約20%超過して達成する結果となった。

 売上高の大きな伸びはGo Toキャンペーン(Go Toトラベル)の商品券発行による要因だ。この事業にて前年比+10億円ほど増加している。ギフティは予想を大きく上回る結果となり、時価総額は一時1,000億円を突破。将来への期待が株価に織り込まれている。

■ギフティの事業モデルは?

 ギフティはgiftee for Business、eGiftSystem、地域通貨サービスの3つの事業をおこなっている。giftee for Businessは企業がeギフトというサービスを導入して顧客にデジタルクーポン(デジタルな商品券に相当)を購入して贈れるサービスだ。eギフトを利用している企業はKDDI、LINE、mixi、SEGA、三菱地所、住友生命など大手企業を中心の144社。eギフト発行企業は順調に増加している。

 eGiftSystemとは、各企業が店舗でデジタルクーポンを発行できるシステムだ。たとえば、ドラッグストアのツルハグループでのデジタル商品券やミニストップでのコーヒー回数券などだ。これまでは紙クーポンなどを渡していたものの、スマートフォンの利用者が増え、デジタルクーポンのほうが利用しやすいというニーズをサービスにした形。

 最後に地域通貨サービスは、Go Toキャンペーン(Go Toトラベル)の商品券や地方自治体の発行するプレミアム付商品券のサービスだ。これまでプレミアム付商品券といえば紙クーポンが一般的であったが、発行・管理などを考えるとデジタルクーポンのほうが管理しやすい。この分野にギフティが入り込んでいるのは大きな強みだ。今後より現金のデジタル化が進んでいくなか、周辺の商品券、回数券、メンバーズカードなどデジタルクーポンに代わっていくと思われ、ギフティにとって追い風になりそうだ。

■ギフティの売上高内訳推移は?

 ギフティの四半期ベースでの売上高内訳をみると、2020年4QはGo Toトラベルの特需が大きく反映した形で地域通貨サービスが大きく増加している。2020年4Qについては、地域通貨サービスを除いても過去最高の売上高になっている。ギフティにとっては新型コロナウイルスの影響感染拡大が抑制され、対面店舗での経済活動が再開されれば、eギフトの利用がより促進されるものと思われる。

■ギフティの流通額は?

 ギフティの流通額は100億円まで上昇している。この流通額の定義ははっきりしないが、順調に事業規模が拡大しているのは確認できる。ギフティは地域通貨サービスとして、「八王子市プレミアム付商品券(八王子市e街ギフト)」を40億円発行しているものの、流通額にどこまで算入しているかよく見えない。

 ギフティの2020年12月期の流通額100億円、売上高30億円と考えると、発行額の30%を手数料として徴収しているのは過大すぎる。おそらく、流通額の定義と発行額はイコールではないかもしれない。

■ギフティの株価推移は?

 ギフティの株価は順調に上昇トレンドで推移している。現在の時価総額は約900億円。事業規模や現在の営業利益から見ると割高に見えるものの、成長性が高く将来の期待は高い。世の中のお歳暮やお中元などの贈り物がeギフトに置き換わる可能性がある。2019年のお中元の経済規模は7,300億円、お歳暮は9,100億円と大きい。また父の日、母の日、バレンタインデー、ホワイトデーなどのニーズもあり、これらの2~3割がeギフトに置き換わると考えると、ギフティは大きな成長になっているはずだ。

 ただし、競合他社が出てくる可能性もあり、いまのような独占的なポジションをどこまで維持できるかは大きな課題。いまのギフティはGo Toキャンペーンによる地域通貨サービスの特需を織り込んだ業績になっており、自然体の成長性が見えにくい。特需がはがれたときに株価は大きく下がる可能性もあり、2021年1Qの決算を見てから投資しても遅くはない。

(画像5)ギフティの株価推移

以 上

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