セキュリティソリューションのセキュア(SECURE)、稼ぐ体質になったか?

 監視カメラシステムや入退室管理システムなどのセキュリティソリューションを提供しているセキュア(SECURE)。2002年10月設立、従業員数は154名、国内8拠点、海外子会社1社。入退室管理システム、監視カメラシステム、画像診断サービスを展開している。監視カメラが全体の約7割の規模。セキュアの業績と株価の状況は?

監視カメラシステムと入退室管理システムのセキュア、どこまで市場が伸びるか?(2023年5月28日投稿)

■基本情報(2024年2月22日時点)

  • 株価:1,554円(10年来高値:3,990円)
  • 時価総額:73億円
  • 予想PER:38.8倍
  • PBR:7.21倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:37.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,900人(2022年12月31日時点)

■セキュアの業績は?

 セキュアの2023年12月期の売上高は51.9億円(前年比+53.4%増)、営業利益+1.9億円(前年は△1.7億円の赤字)と増収黒字転換となった。セキュアの売上総利益率は+38.8%(前年は+38.8%)、営業利益率は+3.6%。

 セキュアの売上総利益は前年の13.1億円→20.2億円と+7.0億円の増加、販管費は前年の14.8億円→18.3億円と+3.6億円の増加となり、営業利益は差し引き+3.6億円の改善となった。

■セキュアの事業状況は?

 セキュアの入退室管理システムは顔認証の増加にともなう案件単価の上昇がつづいている。入退室管理はカードリーダー、指紋認証、顔認証の大きく3つあり、顔認証が増加している。2022年2月にエイベックスでスマホの入退室を導入している。

 セキュアの2024年度の業績予想は、売上高62.5億円、営業利益2.5億円、営業利益率+4.0%となっている。成長率は前年比+20.4%と高いものの、営業利益率がまだ1ケタと低い。2ケタにならないと、成長企業としてしっかり株価を評価してもらうようにはならないだろう。

■競合にいかに勝つか?

 監視カメラシステムは、競合のセーフィーが市場全体の約6割くらいを持っている。セーフィーはほぼ専業の監視カメラのサービス会社であり、セキュアはいかに戦っていくか。監視カメラの狙いは、万引き防止やセキュリティ対策であることはもちろん、マーケティングなどにいかすデータ分析なども今後は求められるだろう。

クラウドモニタリングのシェアトップ、セーフィー(safie)の事業状況は?(2024年2月24日投稿)

■セキュアの財務状況は?

 セキュアの2023年12月末時点の財務諸表をみると、現預金は8.1億円、商品7.3億円となっている。負債をみると、有利子負債は約9億円。利益剰余金はようやく累積黒字になったところ。純資産は10.2億円と脆弱であることが気になる。

 セキュアのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+1.0億円、投資CFは△36百万円、財務CFは+2.7億円。正直、売上高に対して商品を7.3億円も持っている点が気になる。

■セキュアの株価推移は?

 セキュアの時価総額は約73億円。事業の利益モデルがサブスクリプション型であるのか、売り切り・買い切りモデルであるのか不明点がある。セーフィーのようにサブスクリプション型であれば、もう少し株価は評価されてもよいだろう。

(画像1)セキュアの株価推移

以 上

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